【新聞掲載】補聴器の一般的な耐用年数は5年だが手入れ次第ではそれ以上も

2022.11.15

【第62回 2022年(令和4年)11月15日(14日発行)】

「補聴器は何年くらい使えるの?」

 お客さまからよく出る質問です。

 私は「一般的には5年くらいといわれています」とお伝えしています。この5年という数字は、厚労省が総合支援法による補装具としての耐用年数を5年と定めているところからきています。

 難聴で障害者手帳を取得された方は、補装具として補聴器の支給を受けられますが、一度支給を受け、次の新しい補聴器の支給申請ができるのは、耐用年数の5年目以降なのです。

 また、補聴器には「添付文書」というものがついています。薬を買うと箱の中に紙が入っていますよね。それと同じように、使用上の注意や用法などを記載したものです。そこでも、本来の機能および性能を維持し使用できる標準的な使用期間は5年と定められています。

 しかし、人によっては10年くらい長く大事に使われるケースも。補聴器は体に身につけるものですから、汗や耳あかなどの汚れが付着します。定期的に掃除をしたり、お店で点検をしてもらったりして、お手入れをすることは、長く使い続けるためには有効です。

 ただし、販売終了からある一定の期間が経過すると、修理受け付け満了となってしまいます。先日も、10年前に購入した補聴器の故障でお問い合わせをいただいたのですが、受付期間が終了しており修理できませんでした。

 補聴器の機能の発展は日進月歩。最新テクノロジーを使った製品が毎年のように発売されており、音質や騒音下での言葉の聞き取りやすさなど、どんどん改善されています。新しい機種が発売されたタイミングで、音の調子が良いからと数年で買い替えられる方もいらっしゃるほどです。

 補聴器は生活を支えるものです。いきなり壊れてしまって修理できない事態になると焦ることもあるかと思います。定期的にお手入れをしながら、新しい機種を試してみるのもいいですね。

https://hc.nikkan-gendai.com/articles/278351