【新聞掲載】難聴が高度なら障害者手帳の取得で片耳分の自己負担額は1割に

2022.11.22

【第63回 2022年(令和4年)11月22日(21日発行)】

 補聴器は消費税がかからない非課税品であることをご存じでしょうか?

 厚労省が推進する政策の中で「身体障害者用物品の非課税扱いについて」という項目があります。その中で、義肢、義眼、車椅子、視覚障害者安全つえ、視覚障害者用ワードプロセッサーなど数多くある障害者をサポートする道具や機器に並んで、補聴器も選定されているのです。

 このような対応は、目的がはっきりと通知文に明記されているわけではありませんが、日常生活において、ハンディキャップがある方が使用する物は特別に非課税として扱い、障害のある人もない人も、互いに支え合い、地域で生き生きと明るく豊かに暮らしていける社会を目指していこうとする施策であると考えられ、大いに歓迎するところです。

 さらに補聴器の場合は、難聴の度合いが高ければ、障害者手帳を取得し、障害者総合支援法により補聴器の支給を受けられ、原則1割負担です。ですから現在、一般的な補聴器の購入価格は平均15万円程度といわれていますが、5000円から1万円程度の自己負担で手に入れられます。

 ただし、全ての補聴器が対象ではなく、各メーカーが「障害者総合支援法用」と定めたものだけになり、さらに支給を受けられるのは片耳のみ。

 補聴器は両耳に装用した方が、方向感も分かりますし、補聴器から出す音量も片耳より両耳でつける方が小さくて済み、使用者の負担を抑えられます。そのため両耳でつける方がいいのですが、現実は片耳のみしか支給を受けられないのです。限りある国家予算を満遍なく障害を抱える人のサポートに使うためには仕方のないことかもしれませんね。

 難聴者の本当の意味での自立を支援するためにも、より充実した制度に改まっていくことをこれからも期待していきたいと思います。

https://hc.nikkan-gendai.com/articles/278382