
「聞こえにくくなって日常生活に支障があるけれど・・自分が障害者手帳の対象になるのかわからない」と悩んでいる人はいませんか。そもそも、障害者手帳を取得することによって、何がどう変わるのかわからない!という人も居るかもしれません。実は、聴覚障害の障害者手帳を取得すると、補聴器の購入費助成や税金の控除などの支援が受けられるようになります。ただし、手帳の取得には要件があり、対象となる人も限られていますので、聴力レベルや等級、申請の具体的な流れなどをおさらいしましょう。
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【この記事の監修者】
田中智子(認定補聴器技能者・うぐいす補聴器 代表取締役)
補聴器を「日常を前向きに、自分らしく過ごすためのツール」と捉え、専門店「うぐいす補聴器」を開業。大手メーカーで全国5000店舗の販売指導を経験し、高齢者難聴の支援や地域での啓蒙活動も行っている。
目次
難聴で障害者手帳は交付される?条件や認定の基準

難聴でも要件を満たせば障害者手帳が交付されます。聴覚障害には2級、3級、4級、6級の等級があり、数字が小さくなるほど重度です。等級は、医師の意見や聴力検査の結果に基づいて決定します。それぞれの等級の聴力レベルは、下の表をご覧ください。
| 等級 | 聴力レベル | きこえの特徴 |
|---|---|---|
| 6級 | 1両耳の聴力レベルが70デシベル以上 2 一側耳の聴力レベルが90デシベル以上, 他側耳の聴力レベルが50デシベル以上 | 40センチメートル以上離れると会話の声が理解できない状態 |
| 4級 | 1 両耳の聴力レベルがそれぞれ 80デシベル以上 2 両耳による普通話声の最良の語音明瞭度が50パーセント以下 | 耳もとで声を発さなければ理解できない状態 |
| 3級 | 両耳の聴力レベルが 90デシベル以上 | 耳もとで大きな声を発さなければ理解できない状態 |
| 2級 | 両耳の聴力レベルがそれぞれ 100デシベル以上 | 両耳がほとんど聞こえない状態 |
障害者手帳を取得する2つのメリット

障害者手帳を取得すると、以下のような支援が受けられるようになります。難聴によって生活が制限されている人には大きなメリットとなるでしょう。
- 補聴器の公的助成
- 税制上の優遇
- 多くの施設・交通機関等で割引制度が利用できるようになる
補聴器購入・修理費の公的助成(補装具費支給制度)
聴覚障害の障害者手帳を取得すれば、補聴器が「支給」されるという大きなメリットがあります。障害者総合支援法に基づき、補聴器を購入や修理する際、費用の一部が公費で負担とされるものです。
この制度を活用すれば、使う人は原則1割程度の負担で補聴器を受け取ることができるので、もっとも軽い負担で補聴器が受け取れる方法だと言えるでしょう。
参考:補装具費支給制度の概要|厚生労働省
税金の控除・公共料金の割引
身体障害者手帳を取得すると、税制上の優遇措置や公共料金の割引を受けることができます。たとえば、所得税・住民税の「障害者控除」が適用されたり、鉄道やバスなどの公共交通機関でも、運賃が割引になったりします。
障害者手帳の申請から発行までの4ステップ

難聴の状態が基準を満たしている場合、障害者手帳が取得できます。障害者手帳の申請は、次の4ステップです。
- 【手順1】お住まいの自治体窓口で必要書類を受け取る
- まずは、お住まいの自治体の障害福祉課などへ出向き、申請時に提出する「身体障害者手帳交付申請書」を受け取りにいきましょう。自治体のHPでダウンロードできる場合もあります。
- 【手順2】医師に意見書を書いてもらう
- 指定病院の医師に、現在の難聴の状態などを記載した「意見書」を書いてもらいます。指定医療機関は各自治体の障害者手帳申請の案内ページなどで確認することができます。
※診断料など、書面代金が発生することがあります
- 【手順3】自治体窓口へ書類を提出、申請する
- 医師の意見書が手元に用意できたら、①の申請書とともに自治体の障害福祉課へ提出します。
※手帳用の写真や本人確認書類、その他にも必要なものがある場合があります(自治体によって異なる)。詳しくは、各自治体のHPなどでご確認ください。
- 【手順4】できあがった手帳を受け取りに行く
- 申請後、自治体で手帳交付の適否についての判定があります。無事に判定がおりたらようやく、手帳の交付となります。申請から受け取りまでは約1~2か月程度かかることが多いです(自治体によって異なる)。
片耳難聴でも障害者手帳は取得できる?

結論から言うと、片方の耳が全く聞こえない状態であっても、もう片方の耳が正常に近い場合は、障害者手帳交付の対象外となってしまうことが多いです。
聴覚障害の等級は原則として「両耳」の聴力レベルで判断されるため、一方の耳だけが極端に悪い片耳難聴は、現行の制度では手帳の対象になりません。
障害者手帳の基準には届かない難聴への支援制度

障害者手帳の等級基準に満たない人は補聴器を「支給」される制度には該当しません。したがって、補聴器を購入する場合には実費での購入となってしまいます。しかし、補聴器の購入費の負担を減らす制度は他にもいくつかあり、これらをうまく活用することで購入の負担は軽くすることができます。障害者手帳の基準に届かなかった方は、次のような制度を活用しましょう。
- 医療費控除の申請をする
- 自治体の助成制度を活用する
上記の方法は、別記事でも詳しく解説しています。気になる方はぜひ参考にしてください。
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