補聴器の賢い選び方!種類・価格・特徴の解説とおすすめ器種をご紹介!

2023.03.25

補聴器は、耳が聞こえづらい人のための高度な医療機器です。難聴者にとってとても便利なものですから、聞こえに悩んでいる人にはぜひ使ってみていただきたいところ。

とはいえ、補聴器初心者さんからすれば、補聴器には種類やモデルが多すぎて「どんな基準で選択すれば良いのかわからない」という人も多いことでしょう。本記事では、初めての補聴器選びに役立つ「補聴器の種類や特徴、費用」などについて徹底解説します。ぜひ購入の参考にしてくださいね。


聞こえでお悩みですか?/

「テレビの音が大きいと言われた」「インターホンや家族の呼びかけに気付かなかった」・・。
年齢とともに聞こえが悪くなっていく加齢性難聴は、補聴器を適切に使用することで改善させられることが多いです。しかしながら、補聴器って種類が多いし、値段もピンキリ。自分に合う補聴器はどんなものなのか、探すだけで骨の折れる作業ですよね。
うぐいす補聴器は、スタッフ全員が専門資格を有する「聞こえの専門家」。おひとりおひとりの聞こえやライフスタイルに合わせた補聴器のご提案が可能です。資料請求やご相談は無料。ぜひお気軽にお問い合わせください。

【この記事の監修者】
田中智子(認定補聴器技能者・うぐいす補聴器 代表取締役)

補聴器を「日常生活をポジティブに自分らしく過ごせるようになるためのツール」と捉え、補聴器専門店「うぐいす補聴器」を開業。以前は有名補聴器メーカーのマーケティング部に所属し、全国5000店舗へ補聴器販売の指導を実施した経歴を持つ。高齢者難聴を得意とし、地域住民への啓蒙活動、高齢者への補聴器の装用トレーニングなども実施している。

補聴器の種類|自分と相性の良いものを見つけよう

補聴器を選ぶ際は、種類や価格、機能など様々な要素を考慮する必要があります。自分に合った補聴器を見つけるために、まずはどんな種類があるのか理解しましょう。

補聴器を選ぶ際は、次の5つの要素からそれぞれ自分に合った種類のものを選びます。

補聴器選びの5要

  • 機能(デジタル・アナログ)
  • 形状(耳かけ型・耳あな型)
  • 給電方法(電池式・充電式)
  • グレード
  • メーカー

それぞれの特徴や選び方は以下にて詳しくご紹介します。

機能の種類を選ぶ

補聴器にはデジタルアナログの2種類があります。デジタル技術の進歩によって、現在では流通している補聴器の9割以上がデジタル補聴器となりました。

アナログ補聴器は音声を電気信号に変換して増幅する仕組みで、機能はシンプルで価格も安価です。しかし、デジタル補聴器のようにノイズキャンセリングや方向性マイクなどの優れた機能はないため、やはりおすすめは高度な機能で多くの器種が揃うデジタル補聴器です。

デジタル補聴器とアナログ補聴器のそれぞれの特徴については、次でより詳しく解説します。

デジタル補聴器

デジタル補聴器は、音声をデジタル信号に変換して処理し、ノイズキャンセリング方向性マイクなど高度な機能を搭載している補聴器です。

アナログ補聴器と比べて細かい音の調整も可能なので、より自然な音質で聞こえると言われています。

アナログ補聴器

アナログ補聴器は、音を増幅させるという基本的な機能を持ち、シンプルな構造の補聴器です。

しかし、音を増幅させるのと同時に周囲の雑音も一緒に増幅されてしまうため、騒音下での聞き取りにくさや、音質の低下といった問題がありました。

近年では、デジタル技術の進歩によってデジタル補聴器の性能がうんと向上しました。ひと昔前まではアナログ補聴器が主流でしたが、現在アナログ補聴器はほとんど流通していません

形状ごとの種類を選ぶ

補聴器には、大きく分けて耳かけ型耳あな型の2種類の形状があります。

どちらを選択するかは、自身の難聴の程度や生活スタイル、デザインの好みなどを考慮して選んでいく必要があります。

それぞれの形状の特徴は次の通りです。

耳かけ型補聴器

耳掛け型補聴器は、耳の後ろに掛けて使用するタイプの補聴器です。本体部分が耳の後ろに位置し、そこから伸びるチューブを通して音を耳に届けます。

大きく操作のしやすいBTEタイプと、小型で目立ちにくいRICタイプ(小型タイプ)の2種類があります。

耳かけ型の補聴器は対応できる難聴レベルの幅が広く、多くの人に適応します。
比較的サイズが大きく、電池交換などの操作もしやすいですが、その反面で、本体の目立ちやすさは否定できません。

耳あな型補聴器

耳あな型補聴器は、耳の穴の中に挿入して使うタイプの補聴器です。超小型で目立たないIIC・CICタイプと、操作性に優れたITC・ITEタイプの4タイプがあります。
本体が耳の穴の中にすっぽりと納まるので目立ちにくく、ぴったりフィットし快適なつけ心地です。

耳あな型補聴器はとっても小型なので、つけていることが外からはほとんどわかりません。メガネやサングラスとも干渉せず便利ですが、一方で、小型なぶん装着や電池交換時には手先の細かい作業が必要になります。こういったことが苦手な人には、耳あな型補聴器はあまりおすすめしません。

給電方法の種類を選ぶ

補聴器の給電方式には、大きく分けて「電池式」「充電式」の2種類があります。

どちらのタイプを選ぶかは、ライフスタイルや予算によって異なります。電池交換の手間を省きたい人は充電式、初期コストを抑えたい人は電池式が良いでしょう。

次のセクションでは、それぞれの給電方式について詳しく解説します。

電池式補聴器

電池式補聴器は、充電の手間がかからないことがメリットです。電池を交換するだけですぐに使えるので、電池式のほうがスムーズに使えるという人も居ます。

また、充電式に比べて最初にかかる費用が少なく済むところも魅力です。性能も充電式と比べて劣っていないので、電池交換のほうが親しみやすいという人には電池式をおすすめします。

一方で、定期的な電池交換が必要なため電池代は必要になります。電池切れのタイミングが予測しづらいことも短所だと言えるでしょう。また電池は直径数ミリの非常に小さなものですから、手元の細かい作業が苦手な人には向きません。

充電式補聴器

近年、日本国内でも人気が高まっているのが充電式補聴器です。従来の電池式とは違い、充電器に置いておくだけで繰り返し使用できるので、年齢を問わず使用できて簡単かつエコだと好評です。

電池交換の時間や手間を押さえたい人にはもってこいだと言えるでしょう。ただし、毎日忘れずに充電する必要があるので、その点には注意が必要です。

グレードの種類を選ぶ

おなじ補聴器でも、その中に細かくグレードが分けられており、自分に合うグレードの器種を選ぶ必要があります。

グレードは高くなればなるほど機能が充実します。チャンネル数も増えるため、より自然でクリアな音質になることは間違いありません。

しかしグレードを選択する際に覚えておきたいのは「必要な機能には個人差がある」ということです。聞こえのレベルはもちろん、使う人の生活スタイル次第では、高いグレードでなくても充分快適に使える場合もあります。


最高ランクのグレードの器種は非常に高品質ですが、そのぶんお値段もかなり高くなるので、自分の聞こえに効果的かつ生活や予算に見合った最適なグレードをしっかりと見極めることが大切です。

各グレードの価格帯一覧は下記にまとめました。

グレード価格音質・性能こんな人へ
プレミアム片耳:60万円程度
両耳:120万円程度
非常に良い
騒音抑制・突発音抑制・AI搭載・見守り機能など
会議に参加・音楽鑑賞・スポーツ・講演会など、アクティブに活動する方へ
アドバンス片耳:40万円程度
両耳:80万円程度
良い
騒音抑制・突発音抑制・スマートフォン連動など
プレミアムとスタンダードの中間的グレードを求める人へ
スタンダード片耳:30万円程度
両耳:60万円程度
基準的
騒音抑制・スマートフォン連動など
外出も在宅もどちらもある人・決まった人との会話が多い人へ
ベーシック
(エッセンシャル)
片耳:20万円程度
両耳:40万円程度
基礎的なグレード最低限の機能さえあればOK!という人へ
バリュー片耳:15万円程度
両耳:30万円程度
割安感のあるグレード
シンプルな機能
とにかくコストを抑えたい・難聴レベルが比較的軽い人へ

メーカーを選ぶ

補聴器は、たくさんのメーカーから発売されています。メーカーによって、力を入れている機能が違ったり、音の質感もまったく異なるので、メーカー選びは意外にも重要なポイントです。

どこのメーカーで購入するかは、そのメーカーが大々的に売り出している機能面や、アフターサービスの充実具合など、メーカーのことをリサーチしてしっかりと知識をもつのが重要です。

加えて、購入前には補聴器販売店などでかならず試聴を行い、ご自分の耳でも聞こえ方をしっかりとチェックしましょう。

補聴器の5大メーカー

世界5大補聴器メーカーともいわれる、補聴器の代表的なメーカーは、以下の5つです。

  • シグニア: ドイツのメーカー。洗練されたデザインと高い性能が特徴
  • フォナック: スイス発。世界シェアナンバーワンで顧客満足度も高い
  • オーティコン: デンマークのメーカー。脳から聞こえを考える「ブレインヒアリング」を提唱
  • スターキー: アメリカのメーカー。ロナルド・レーガン大統領やマザーテレサなど著名人も装用
  • リサウンド: デンマーク発。補聴器とヘッドセット産業の両方から聴覚学・音声・ワイヤレス・小型化などの分野に精通

詳しい製品情報は、各メーカーのホームページや、補聴器専門店などでも入手することができます。

補聴器専門店では、聴力測定や補聴器の試聴も行うことができるので、はじめて補聴器を購入するという人には店舗に足を運んでみるのがおすすめです。

お店によっては自宅まで訪問してくれるところもあるので、ニーズに合わせて相談場所を検討してみてくださいね。


当店ですべて試聴できます!/

うぐいす補聴器では、補聴器の世界5大メーカーをすべて取り扱っております。それぞれの音の違いや性能の高さをぜひご自身で体感してみてください。必要に応じて、聴力測定や補聴器のレンタルなどもおこなっておりますので、聞こえのお悩みや気になる補聴器があればぜひお気軽に当店までご相談ください。

【2024最新】補聴器専門店が本気でおすすめ!最新補聴器3選

近年、補聴器はデザインや機能面で大きく進化しています。
そこで今回は、補聴器の買い方や取り扱いが全く分からない、という補聴器初心者さんにおすすめしたい、最新の補聴器をピックアップしました!補聴器の購入時にぜひ、参考にしてみてくださいね。

おしゃれなデザインが目を引く”見せる”補聴器

補聴器は、目立たずに装着できるものが好まれる傾向にありますが、近年ではおしゃれなデザインの補聴器も増えてきており、補聴器をファッションの一部として「あえて見せる」スタイルも注目を集めています。

カラーバリエーションが豊富なものや、美術品のような革新的なカタチの補聴器まで、アクセサリー感覚で選べるようなオシャレさん向けの補聴器がどんどん登場していますよ。

【見せる補聴器】フォナック / スリム ルミティ

例えば、フォナック社のスリムルミティは、シャープなデザインが目を引くスタイリッシュな補聴器。落ち着きのあるシックな色あいがハイセンスでお洒落だと人気です。

おしゃれな補聴器は、聴覚のサポートだけでなく、ファッションとしても楽しむことができます。補聴器選びの際には、機能性だけでなく、デザイン性にも注目してみてはいかがでしょうか。

機能デジタル
形状耳かけ型
給電方法充電式
グレードエッセンシャル~プレミアム
メーカーフォナック
価格片耳:268,400円~683,400円(充電器含む価格)

目立たないと人気!”超小型”補聴器

市販されている補聴器には、大きく分けて「耳かけ型」と「耳あな型」の2種類があります。耳かけ型は耳の後ろにかけ、耳あな型は耳の穴に直接入れるタイプです。

補聴器を使い始めるときは、「できるだけ目立たせたくない」という人がほとんど。そんな人はぜひ、耳あな型補聴器を選んでみてはいかがでしょうか。耳あな型補聴器は、外からは目立ちにくく、補聴器を装着していることが周囲に気づかれにくいというメリットがあります。中でも、「超小型」と言われるCIC・IICタイプなら、外からはほとんど見えません。

【聞こえるのに、見えない】シグニア / Silk IX

シグニア社から発売されたばかりの新製品Silk IXは、シグニア史上最小の超小型補聴器。耳穴の奥にすっきり収まるので、外からはほとんど見えません。

また、Silk IXは、超小型補聴器としては珍しい充電式タイプなので、細かい電池交換の手間もなく安心して使えます。スマホアプリとペアリングさせることもできるので、手元で簡単に音量調節などもできてとっても便利ですよ。

機能デジタル
形状耳あな型
給電方法充電式
グレードスタンダード~プレミアム
メーカーシグニア
価格375,000円~700,000円(充電器含む価格)

まるで近未来!?な”AI補聴器

近年、人工知能(AI)を搭載した補聴器が少しずつ登場しています。
AI補聴器は、ユーザーの聴覚環境を分析し、音質を自動的に調整することができる優れもの。従来のように、あらかじめプログラムを設定していなくても、ユーザーの聴覚環境に合わせて音質をリアルタイムで調整することができます。これにより、より自然で快適な聞こえを実現することができるようになりました。

【AIがあなたの希望を察知】オーティコン / Intent

オーティコンの最新補聴器Intentは、高度な人工知能が搭載された革新的な補聴器

周囲360度の音を人工知能が学習・処理し、すべての音をより明瞭にして自然でバランスのとれた音情景を再現します。またIntentは、自身の意図をくみ取って聞こえをサポートする「じぶんセンサー」を新たに搭載。あなたの「したい」ことを感知して必要な音を脳に届けます。

機能デジタル
形状耳かけ型
給電方法充電式
グレードベーシック~プレミアル
メーカーオーティコン
価格片耳:352,300円~722,300円(充電器含む価格)

補聴器を「おすすめや評判のよさ」「安いから」などで選んではいけない理由

補聴器を買うときに、口コミなどを見て「人気だから」という理由で器種を選ぶのは、実はあまりおすすめできません。評判やレビューはあくまで個人の感想であり、あなたの聴力や生活習慣にも合っているとは限らないためです。

補聴器は、一人ひとりの聴力に合わせて調整する必要のある管理医療機器です。仮に、評判の良い補聴器であったとしても、それがあなたの聴力に見合うものでなければ、十分な効果が得られません。そればかりか、場合によっては不快感や違和感を感じてしまう可能性すらあります。

全く同じ補聴器でも、Aさんにとっては「とっても快適」で、Bさんにとっては「よく聞こえない」ということは往々にしてあります。補聴器選びの際には、あまりネット上での「良い悪い」の意見に左右されず、自分自身で体験した聞こえ方や使い勝手を大切にすると良いでしょう。

自分に合った補聴器の選び方は?補聴器は必ずお店で「試聴」しましょう!

補聴器は、その音質や装着感が器種によって全く異なります。自分が一番快適に使えるものを選ぶために、補聴器は必ず試聴してから選びましょう。また、試聴してみて「よく聞こえる」と思った器種でも、ほかのものを試聴してみたら「こっちのほうがもっと良い!」と感じる場合もあります。自分にぴったり合う補聴器をお探しなら、できれば様々なメーカーや複数のモデルを聞き比べられるのが理想でしょう。

おすすめ器種が多数!補聴器の相談・販売なら「うぐいす補聴器」へ

東京・池袋の補聴器専門店「うぐいす補聴器」は、在籍するスタッフ全員が認定補聴器技能者の資格を有する”聞こえの専門家”。経験豊富なスタッフが、おひとりおひとりのお悩みに寄り添い、最適な補聴器選びのお手伝いをいたします。

また、当店は複数メーカー・数百種類の補聴器を常時取り揃えており、必要に応じて試聴やレンタルも行っております。

その他、聴力測定やフィッティング、補聴器の使い方や制度のご説明など、幅広く対応しております。ご相談は無料。ぜひお気軽にお問い合わせください。

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