加齢性難聴

2020.06.13

加齢性難聴

加齢以外に特別な原因がないものが加齢性難聴です。
年齢と共に内耳を中心に聴神経から脳までの機能が低下したために発症します。

主な原因は、加齢によって蝸牛の中にある、音の感知や増幅する役目を果たしている「有毛細胞」がダメージを受けて減少したり、聴毛が抜け落ちてしまい、音をうまく脳に送ることができないために起こります。
それだけでなく、内耳から脳へ音を伝える神経経路の障害や、脳の認知能力が低下することも影響している可能性があるとされており、様々な原因が組みあわさり発症すると考えられています。

加齢と共に高音域がだんだん聞き取りづらくなるなど、一般的には、40代のうちはあまり自覚することがないまま進行していき、60代ごろから「聞こえが悪くなった」と感じる方が急増する傾向があります。

また、70歳をこえた時には、ほとんどの音域の聴力が、軽度〜中等度の難聴レベルまで低下します。
補聴器装着が推奨される平均聴力25dBを超える軽度難聴者を含めると60歳代の2〜3割、70歳代の5〜6割、80歳代の7〜8割が難聴で悩まれている場合も多いです。

出典:杉浦彩子,内田育恵 : 高齢者の難聴への対応 日耳鼻 120 : 707-713,2017

老化による聴覚機能の低下が主な原因なので、根本的な治療法がありませんが、早期から補聴器などを使用することも大切です。
また、中耳炎や騒音、ウイルスなどによって発症し、進行させている可能性もあるので、加齢によるものと断定せず、きちんと診断してもらうことも重要です。
当店では、地域の診療所や耳鼻咽喉科と連携しています。
お困りのことやちょっとした不安などがあればお気軽に当店へお問い合わせください。

症状としては、音自体は聞き取れても、音が歪んで聞こえたり、大きい音が響いてしまい不快に聞こえる、話している内容がわからないことが増えるなどが挙げられます。

聞き取りの症状の程度には幅があり、本人も周囲も気づかないうちに加齢と共にゆっくり進行していきます。
気付いた時には、相手の言葉の聞き取りづらさから会話がうまく成立せず、心的負担が大きくなり、他人と会話をすることが減ってしまい、関わりを避けるようになる方もいらっしゃいます。
まずは、周囲の方の気づきが重要です。
異常を感じたら当店にお問い合わせいただくか、お近くの耳鼻咽喉科を受診してください。
日本耳鼻咽喉科学会認定耳鼻咽喉科専門医の中で、講習カリキュラムのすべてを履修し、認定された補聴器相談医という医師もいます。
補聴器相談医制度は、難聴者がそのコミュニケー ション障害に有効な補聴器を適正に選択して使用できるように対応することを目的としています。
現在4,000名以上の耳鼻咽喉科専門医が認定されています。
補聴器相談医は、日本耳鼻咽喉科学会のホームページで検索することができます。