補聴器と集音器の違いを知る|メリット・デメリットを徹底解説

2023.07.05

「補聴器」というと、「耳の聞こえにくい人の聴覚をサポートする製品」として認識している人が多いと思います。一方で、「集音器」という言葉には馴染みがない人も多いかも知れませんね。集音器は、補聴器とよく似た見た目のものが多いことから同じものだと思われがち。しかし実は、補聴器と集音器には明確な違いがたくさんあります。本記事では、補聴器と集音器の違いや、それぞれのメリット・デメリットについてご紹介いたします。 


聞こえのお悩みはうぐいす補聴器へご相談ください

「テレビの音が大きいと言われた」「インターホンや家族の呼びかけに気付かなかった」
そんなご経験はありませんか?
実はそれ、年齢とともに聞こえが悪くなっていく加齢性難聴かもしれません。
加齢性難聴は、老眼やお顔のシワなどと同様に、年齢を重ねると誰でも起こりうるもの。
適切なケアで日々の生活をぐんとラクにすることができます。
詳しくは、下記よりお問い合わせください。

【この記事の監修者】
田中智子(認定補聴器技能者・うぐいす補聴器 代表取締役)

補聴器を「日常生活をポジティブに自分らしく過ごせるようになるためのツール」と捉え、補聴器専門店「うぐいす補聴器」を開業。以前は有名補聴器メーカーのマーケティング部に所属し、全国5000店舗へ補聴器販売の指導を実施した経歴を持つ。高齢者難聴を得意とし、地域住民への啓蒙活動、高齢者への補聴器の装用トレーニングなども実施している。

集音器と補聴器の違いとは?

集音器と補聴器の一番の違いは、「管理医療機器としての認定を受けているかどうか」という点になります。厚生労働省が医療機器として認めているのは補聴器のみ。実は集音器は医療機器ではありません

補聴器は「医療機器」。対して集音器は「家電」扱い

補聴器は「医療機器」に分類されるため、薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)という法律に基づいて定められている効果や安全性の基準を満たさなければなりません。厳しい審査をクリアして国から正式な認可を受けているのが補聴器の特徴と言えます。補聴器は販売においても、だれでも自由に販売できる訳ではなく、特定の届け出をした販売店で、対面販売することが義務付けられています。このように、製作から販売まで厳しい基準が設けられているため、対面で購入された補聴器は安全性がとても高いと言えます。
一方で、集音器は医療機器ではなく「家電」に分類されます。家電量販店やテレビ通販番組などでも見かけたことがある人も居るかもしれませんね。集音器は、補聴器と形状こそ似ているものの、製作や販売において特に認可などは必要ありません。そのため、補聴器のように安全性にかかわる明確な基準がなく、ものによっては長期間装着しつづけることで、逆に耳に負担やダメージを与えてしまうことになるケースがあるのです。

補聴器は個人の聞こえに合わせてカスタマイズできる

性能面に関してはどうでしょうか。
集音器は、テレビのボリュームを上げるのとおなじようにすべての音をそのまま大きくしてくれる物です。そのため、もともと聞こえている音や、大きくする必要のない周囲の雑音までもがすべて一律で大きくなってしまいます。これが「うるさくて使えない」と感じ、結局「買ったものの使うのをやめてしまった」という人が多くいらっしゃいます。
対して補聴器は、集音器に比べて製品自体の価格は高くなるものの、使う人の聞こえに合わせた音量・音質に調整することが可能なもの。「聞こえづらい音だけ」を補うように調整ができるので、聞きたい音や会話に集中することができるのが補聴器なのです。

集音器はコスパが良い?

集音器は「家電」扱いですから、通販番組や家電量販店などでも気軽に手に入ります。また、お値段も比較的手の出しやすいお手頃価格なので、経済的負担は軽いと言えるでしょう。
しかし当店には、「集音器を買ってみたもののやっぱりよく聞こえない」と言って何台も何台も買い替えた末、どうにも打つ手がなく助けを求めにいらっしゃる方がとても多いのが現実です。そうなってしまっては、経済的にも精神的にも負担は大きくなるばかり。決して「コスパが良い」とは言えないのではないでしょうか。


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うぐいす補聴器では、おひとりおひとりの聞こえのお悩みを丁寧にヒアリングし、必要に応じて最適な補聴器をご提案します。補聴器の試聴は無料です。ご希望があればお試しレンタルも行っております。どうぞお気軽にご相談ください。

集音器と補聴器メリットデメリットは?

補聴器と集音器は全く違った製品であることをお伝えしました。それでは、補聴器と集音器はそれぞれどんなメリット・デメリットがあるのでしょうか。ここからは、補聴器と集音器それぞれのメリット・デメリットについて解説していきます。

補聴器と集音器の比較表

価格に関しては、集音器は比較的安価で、気軽に手に入れやすいのが特徴だと言えます。対して補聴器は、1台が最低でも10万円以上はしますので、価格だけを見るとかなり高額に感じることでしょう。
しかし上記の表でもわかるとおり、補聴器のメリットの多さは一目瞭然。聞こえの程度はもちろん、デザインの好みや生活状況などに合わせて自分にぴったりと合う1台を選べる「高いカスタマイズ性」が魅力のひとつです。近年では最新のデジタル技術を搭載した高性能な補聴器もぞくぞくと開発されています。
もちろん、中には「自分は集音器が合うんだ」という人もいるかもしれません。しかし、それぞれの性能には大きな違いがたくさんありますから、価格だけでどちらかに決めてしまうのはもったいないです。まずは自身の聞こえをしっかりと把握し、時には医師の診断や専門家の意見なども参考にして、最適な製品を選んでみてはいかがでしょうか。

結論、補聴器と集音器はどっちがいいの?

ここまで、補聴器と集音器のメリットやデメリットについてご紹介しましたが、「結局、どちらが良いの!?」と感じている人も多いかも知れませんね。結論から言うと、「使う人の難聴の状態による」となります。

集音器は周りの音をそのまま大きくする機器なので、全体的に聞こえる音が小さくなってしまう「伝音性難聴」の人向けであると言えます。また、難聴の程度がごく軽い場合も「集音器で生活が改善した」という方がいらっしゃいます。

ただ、加齢による難聴は「感音難聴」や「混合性難聴」の場合がほとんど。内耳や聴神経などが衰えてくることで聞こえづらくなる難聴です。感音難聴や混合性難聴の場合、実は集音器はあまり効果がありません。さらに、集音器には安全性の明確な基準もないため、長く使い続けるには耳への負担も大きく、かえってダメージを与えてしまう危険性も否定できないため、注意が必要です。

加齢性の難聴には、補聴器がおすすめ

年齢とともに聞こえにくくなってくる「加齢性難聴」には、やはり基本的には補聴器がおすすめです。補聴器の良いところは、購入前に医療機関や補聴器の専門家にしっかりと相談できたり、気になる機種を試聴できたりすることです。
また購入後も、その時々の聞こえに合わせて随時細かく音の調整をすることが可能です。購入後の手厚いアフターサポートのことも加味すると、今後進行していく可能性もある加齢性難聴には、やはり補聴器が最も適していると言えます。長く使用するものだからこそ、安全性や保証がきちんとなされている補聴器を使って、健康的な生活を維持したいものですよね。

補聴器を使いこなすために必要なのは「調整」と「慣れ」

ただし、補聴器を購入する前に知っておいてほしいのが、補聴器は装着後すぐに聞こえるようになるわけではない、ということです。補聴器は、聞こえに合わせた細かい調整を繰り返しながら装着を続け、補聴器の音に慣れていく「トレーニング期間」が必要なのです。補聴器の使い始めは、久しぶりに耳に入ってきた様々な音にビックリしてしまうかもしれません。しかしトレーニングを続けて補聴器の音に慣れると、いつしか自分の身体の一部のように使いこなせるようになってきます。だからこそ、早いうちから補聴器のトレーニングを開始し、補聴器に慣れておくことがとても大切なのです。


「集音器を試したけどよく聞こえなかった」という方へ
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うぐいす補聴器は、スタッフ全員が認定補聴器技能者または言語聴覚士の資格を有する専門家です。現在の聞こえや生活の状況を丁寧にヒアリングし、使う人の生活に合った最適な補聴器をご提案いたします。当店では、5メーカー・数百種類の様々な補聴器を常時取り揃えておりますので、気になる補聴器があればぜひお気軽に試聴にいらしてください。ご相談お待ちしております。

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