【新聞掲載】「性能」「機能」「デザイン」…子供用は大人用と何が違う?

2022.01.25

【第25回 2022年(令和4年)1月25日(24日発行)】

「ハビリテーション」という言葉をご存じでしょうか? 一度失った機能を補うことを「リハビリテーション」というのに対し、先天性障害や幼少時の障害がありながらも、もともとの機能を生かして、さらに発達させる治療がハビリテーションです。

 視聴覚障害のあるお子さんがコミュニケーション能力を習得していくために、補聴器を使って「聞こえ」のハビリテーションをしていくのですが、このとき発揮される補聴器の機能は、難聴になった高齢者がコミュニケーション能力を回復する際にも役立ちます。

 今回は、「認知症を予防……」というタイトルからは少し外れますが、お子さんの補聴器についてお話ししたいと思います。

 聴覚障害のあるお子さんが使う子ども用補聴器があります。お子さんの補聴器はカラーバリエーションが豊富です。価格も大人用の同ランク機種より低価格に設定されています。また、ほぼすべての自治体で軽度・中等度難聴児助成が適用されるので、およそ5年ごとの更新が一般的です。よほどのことがなければ多くの補聴器店が修理を勧め5年以降には自治体の助成制度を使った再交付を勧めるかと思います。

 お子さんでは成長の過程で耳の穴の大きさが変化しますので、耳の穴に入れる耳栓(イヤモールド)は、その都度作り替える必要はあるでしょう。

 その他にも携帯電話と接続するアプリで一部機能が制限された子ども用のアプリもありますが、これは認知症のユーザーにも有効な、電池の誤飲防止のために電池ホルダーのチャイルドロックといった機能を持つ補聴器もあります。

 さらに汗の心配ですが、最近は充電機能を備え、電池ロッカーからの浸水の心配のない、高い防水・防塵(ぼうじん)機能を備えたものも発売されています。

 そんな子ども用に向け開発されたさまざまな機能も、これからの大人用補聴器の可能性も広げ相互に良い影響を与えあっていくことでしょう。

https://hc.nikkan-gendai.com/articles/277190