
補聴器の購入を検討し始めた人の中には、「自分に合う補聴器はどうやって選べば良いの?」と悩んでいる人も居るのではないでしょうか。実際に、当店にも同様のご相談が、日々たくさん寄せられています。そこで今回は、初めて補聴器を選ぶ際に注目するべきポイントや、おすすめの補聴器についてご紹介します。ぜひ参考にしてくださいね。
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「テレビの音が大きいと言われた」「家族の呼びかけに気付かなかった」
年齢とともに聞こえが悪くなっていく加齢性難聴は、補聴器を適切に使用することで改善させられることが多いです。しかし自分に合う補聴器はどんなものなのか、探すのは難しいと思っていませんか。
うぐいす補聴器は、スタッフ全員が「聞こえの専門家」。お気軽にお問い合わせください。

【この記事の監修者】
田中智子(認定補聴器技能者・うぐいす補聴器 代表取締役)
補聴器を「日常生活をポジティブに自分らしく過ごせるようになるためのツール」と捉え、補聴器専門店「うぐいす補聴器」を開業。以前は有名補聴器メーカーのマーケティング部に所属し、全国5000店舗へ補聴器販売の指導を実施した経歴を持つ。高齢者難聴を得意とし、地域住民への啓蒙活動、高齢者への補聴器の装用トレーニングなども実施している。
目次
はじめての補聴器、買い方を知りたい!

補聴器は、あまり馴染みのないものですから、それ自体が「どんなものなのかよくわからない」という人も多いです。調べてみようと検索しても、いろんな種類やデザインのものがたくさん出てきて、結局「自分が使えるのはどれなの?」となってしまうのだとか。補聴器を見かけることは普段の生活ではほとんどないので、どこでどう買えば良いのか、買い方すらもわからないという人がほとんどなのですよ。
それもそのはず、現在、国内に流通している補聴器の種類は実に数百種類にものぼると言われています。デザインや機能、価格など、ひとつひとつが異なり、販売しているお店もさまざま。自分の耳に合った補聴器選びに迷ってしまうのも、無理はありません。

代表・田中智子
補聴器の選び方や買い方には、それぞれいくつかの選択肢があります。本記事で詳しく解説していきますので、ぜひ最後までご覧くださいね!
やっぱり値段が高い補聴器が良いの?

ものを購入する際、そのお値段は重要なポイントですよね。高ければ高いほど良いものである場合も多いです。
補聴器も価格の幅が広く、比較的リーズナブルなものから、両耳を揃えると100万円を超えるようなものまでさまざまな機種がラインナップされています。
ところが補聴器の場合、「高い補聴器が良いもので安い補聴器が悪いもの」だとは限りません。なぜなら、補聴器は使う人のライフスタイルや聞こえの状態によって、必要な機能やグレードが違ってくるからです。

代表・田中智子
まずは、自分の聞こえの現在地を把握し、どんな生活をしていて、どんなシーンで補聴器を使いたいのかを明確にしていく必要があるというわけです!
失敗しない補聴器の選び方!本当に自分の耳に合うものは?

補聴器はパーソナルな医療機器ですから、口コミや価格だけでは選べないもの。本当に自分の耳に合う補聴器は、以下の4項目に沿って選んでいくとスムーズです。
- 【パワー】自分の聴力レベルに適応しているか
- 【形】耳かけ型と耳あな型のどちらにするか
- 【給電方法】使いやすいのは充電式か電池式か
- 【グレード】予算と機能性のバランス
補聴器は価格だけでは選べないものだとお伝えしました。では、自分に合う補聴器はいったいどうやって見つければ良いのでしょうか?
補聴器を選定する際の選択項目は次の4つです。
選び方① 自分の聴力に合ったものを選ぶ【パワー】

補聴器にはたくさんの種類がありますが、そのひとつひとつには出力できる音の大きさ(パワー)に違いがあります。そのため、まずは自身の聴力をしっかりと理解し、どれぐらいのパワーの補聴器が必要なのかをチェックしなければなりません。
たとえば、高度難聴や重度難聴など、難聴の程度がきわめて重い場合、非常に大きな音が出せる強いパワーの補聴器が必要です。しかしながら「目立たないものが欲しい!」といって、形が小さく弱いパワーの補聴器を選んでしまうと、聴力に対して充分な音を出すことができず、結果的に「補聴器をつけているのによく聞こえない」というトラブルに繋がります。
また、購入時にはギリギリ使えるパワーのものであったとしても、その後さらに聴力が低下してしまった場合に、その補聴器では対応しきれない状態になってしまうケースもあります。現在の聴力や今後のことも想定しつつ、聴力に適したパワーのものを選定することが大切です。

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聴力の詳細な検査は耳鼻咽喉科で。補聴器の調整のための聴力測定は補聴器専門店で可能です。
選び方② 耳かけ型?耳あな型?【形】

補聴器には大きく分けて、耳にかけて使う耳かけ型、耳の穴の中にいれて使う耳あな型の2種類があります。
耳かけ型補聴器には、大きく操作のしやすいBTEタイプと、小型で目立ちにくい小型耳かけ型(RICタイプ)の2種類があります。耳あな型補聴器には、超小型で目立たないIIC・CICタイプと、少し大ぶりで操作のしやすいITC・ITEタイプがあります。
耳かけ型補聴器の特徴
耳かけ型補聴器は、幅広い聴力に対応しているのが特徴で、耳栓部分はほかのタイプやサイズにも変更可能なことが多く、より多くの人にフィットします。
なかでも、小型耳かけ型(RIC)はとても人気で、米国では実に90%ものシェアを誇っていると言われています。日本でも、今後小型耳かけ型がさらに普及していくことは言うまでもありませんね。
また、各補聴器メーカーが新しい機種を発表するときは、かならずこの小型耳かけ型補聴器から発売されます。つまり、最新の小型耳かけ型補聴器を選んでおけば、そのメーカーの最新・最高の音質が手に入るということにもなるのです。
耳かけ型補聴器メリット | 耳かけ型補聴器デメリット |
---|---|
メーカー最高・最新の音質 | 着脱時にマスクやメガネと干渉 |
耳栓部分は他タイプにも変更可能 | 耳あな型と比較すると着けづらいことも ※個人差あり |
紐の部分(レシーバー)を変えれば聴力に変動があっても対応できる | |
耳栓部分がシリコンで肌当たり良好 | |
RICタイプなら小型で目立たない |
こんな人におすすめ
- 着け心地のよさを重視したい!
- 高度・重度難聴にも対応しているものを探している
耳あな型補聴器の特徴
一方の耳あな型補聴器は、ほとんどの機種が耳の穴の「型」をとってオーダーメイドで製作されます。自分の耳の穴の形にぴったり合わせて作るので、耳へのフィット感は格別だと言えるでしょう。
また、耳あな型補聴器は、本体すべてが耳の中におさまるので、外から目立ちにくいといったメリットもあります。最近は、マスクを着用するシーンも多くなったので、マスクの装着時でも補聴器が干渉しないと好評です。
耳あな型補聴器のメリット | 耳あな型補聴器のデメリット |
---|---|
耳の形にしっかりフィット | 自声の響く感じが気になる人も ※個人差あり |
小型で目立ちにくい | 着脱や電池交換に細かい手作業が必要 |
メガネやマスクの邪魔にならない | 充電タイプを希望する場合はメーカーが限られる |
こんな人におすすめ
- とにかく目立たないものが良い!
- 日常的にメガネやマスクを使っている
補聴器の選び方③ 充電式?電池式?【給電方法】

ひと昔前までは、補聴器といえば電池式が主流でした。しかしここ数年で、「充電式」の補聴器が数多く誕生しています。もし、検討中の補聴器に電池式と充電式の両方がある場合には、どちらにするかをご自身で選択する必要があります。どちらが良い悪いというわけではないので、好みや生活スタイルで合うほうを選択してください。
電池式補聴器の特徴
電池式補聴器は、ごく小さく、丸くて平べったい形の空気亜鉛電池という専用の電池を使用します。1日フル稼働で使用した場合、およそ10日~5日程度で電池が切れてしまうため、そのたびに電池を交換しなければなりません。自分の好きなタイミングで電池を満タンで使いたい、電池交換のほうが簡単だ、という方には、電池式の補聴器をおすすめしています。

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20年以上補聴器を使っておられる90代のお客様は、故障を期に新しく補聴器の購入を検討されていました。手が不自由になり電池交換は難しい、かといって充電の操作も覚えられない。しかし、息子さんが週に1回家に来るタイミングで電池を交換してくださることになり、電池式の補聴器を選ばれました。このように、自身の生活に合わせて、使いやすいほうを選んでいく必要があります。
電池式補聴器のメリット | 電池式補聴器のデメリット |
---|---|
電池を取り換えればすぐに満タン | 電池が非常に小さいため手先の細かい作業が必要 |
電源がない場所でも電池さえ持っていれば使える | 出先で電池切れになる可能性 |
電池の販売場所が限られている |
こんな人におすすめ
- 電池の持ち運びが苦ではない
- 電池の扱いに慣れている
充電式補聴器の特徴
充電式補聴器にする場合は、補聴器とは別売の充電器を購入する必要があります。メーカーにもよりますが、充電器の価格はおよそ1~4万円程度。これは、電池式補聴器を5年使った場合の電池代と同程度の金額ですので、充電式補聴器のほうが高い、というわけではありません。充電式の補聴器が誕生したことによって、「以前は大事な場面で電池が切れて慌てることがあった。充電式だと1日電池が持つので、重要な打ち合わせや大事な場面での不安がなくなった」というお声も聞きます。
また、多くの充電器が汎用性のある電源規格(USB Type-C、micro-Bなど)になっているので、さまざまなデバイスからも充電しやすくなっています。災害時なども、携帯電話の充電ブースなどが設置されれば、そこで充電も可能ですし、モバイルバッテリーで充電することも可能です。(問題なく充電できるかは機種によって異なるので、必ず事前にお試しください)
充電式補聴器のメリット | 充電式補聴器のデメリット |
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電池の購入、交換の作業の手間がない | 補聴器本体とは別売りの充電器を購入する必要がある |
出先での急な電池切れの心配なし | コンセントがある場所でしか充電できない ※内蔵バッテリーのものもあります |
電池の誤飲が心配な、ペットや赤ちゃんがいる家庭でも安心 |
こんな人におすすめ
- 電池の購入や交換の手間を省きたい
- 電池切れを心配せずに使いたい
選び方④ 予算と機能のバランスで選ぶ【グレード】
補聴器には、1つのモデルの中にもいくつかの「グレード」があります。グレードが高ければ高いほど、より細かい音の処理が可能になります。
補聴器の価格は、主にこの「グレード」で変わります。上記で書いた「パワー」「形」「電池タイプ」の項目では、どれを選んでもさほど価格はほぼ変わりません。補聴器の価格を大きく左右するのは、どのグレードを選択するか、です。1クラスで10万円程度価格が変わってくることもありますので、本当に自分の生活に必要な機能はどんなものなのかをしっかりと分析し、最適なグレードの機種を選択する必要があります。
プレミアム 片耳:60万円程度 両耳:120万円程度 | 最上位グレード ・会議に参加することが多い ・日々、たくさんの人と話す ・講演会などに参加/登壇が多い ・車の運転やスポーツ、音楽鑑賞など、 アクティブに活動することが多い・ストレスをできる限り軽減し、補聴器を 用いて多くの人と会話したり議論したい |
アドバンス 片耳:40万円程度 両耳:80万円程度 | 一歩進んだグレード プレミアムとスタンダードの中間的な性能 |
スタンダード 片耳:30万円程度 両耳:60万円程度 | 基準的なグレード ・外出も、家に居ることも多い・仕事仲間や家族・友人など 決まった相手とンも会話がメイン・補聴器をつけてたくさんお話ししたい |
ベーシック(エッセンシャル) 片耳:20万円程度 両耳:40万円程度 | 基礎的なグレード 基本的な機能さえあれば充分 |
バリュー 片耳:15万円程度 両耳:30万円程度 | 格安感のあるグレード 基本的な機能さえあれば充分 |
\私たちと一緒に選びませんか?/
うぐいす補聴器は、在籍するスタッフ全員が認定補聴器技能者または言語聴覚士の資格を持つ「聞こえの専門家」です。当店で取り扱っている複数メーカー・数百種類の補聴器の中から、おひとりおひとりの聞こえやご要望に合わせて最適な1台をご提案します。
ご相談は無料。ぜひお気軽にお問い合わせください。
【2025年最新】ビギナーにおすすめの補聴器3選

補聴器の選び方の基準がなんとなく見えてきましたか?ここからは、プロがおすすめする最新補聴器を一挙にご紹介します!

代表・田中智子
ご紹介する補聴器はすべて当店でも試聴可能です!気になるものがあればぜひお気軽にご相談ください。
おすすめ① シグニア / アクティブ

アクティブIX最大の特徴は、シグニア独自の「会話ロックオン」機能にあります。話し手をとらえ、膨大なデータを収集して瞬時に処理することにより、言葉の一つ一つの音が正確に再現され、聞きたい相手の声を逃しません。
さらに、2025年5月には新色が追加されるなど、より多くの人に使いやすいラインナップへと生まれ変わりました。ワイヤレスイヤホンのように特徴的なデザインでもあるので、初めて補聴器を使い始める人や、見た目に気を使いたい人にもおすすめです。

代表・田中智子
聴力の詳細な検査は耳鼻咽喉科で。補聴器の調整のための聴力測定は補聴器専門店で可能です。
メーカー | シグニア |
シリーズ | アクティブIX |
適応難聴レベル | 軽度~中等度 |
形 | 耳あな型(イヤフォン型) |
給電方法 | 充電式 |
グレード | アクティブIX・アクティブIXプロの2種類 |
価格 | 片耳275,000円~ |
おすすめ② フォナック / インフィニオ

フォナック補聴器のルミティは、発売されたばかりの最新補聴器。シャープな見た目が高級感を演出します。
フォナック社は「人と人との会話で生まれるつながりが大切」と提唱していて、ユーザーの生活に寄り添った開発姿勢が世界的に高い評価を得ています。フォナックの補聴器には「人との会話を楽しむ」ための機能が多いのが特徴です。

代表・田中智子
シーンに合わせて音を変える機能はどこのメーカーもついていますが、フォナックの強みは、それを”ブレンド”しながら音をだしてくれるところ。その場所に最適な音を違和感なく聞くことができます。
メーカー | フォナック |
シリーズ | インフィニオ |
適応難聴レベル | 軽度~重度 |
形 | 小型耳かけ型(RIC) |
給電方法 | 充電式 |
グレード | プレミアム・アドバンス・スタンダード・エッセンシャルの4グレード |
価格 | 片耳317,000円~ |
おすすめ③ スターキー / エッジ

AI技術に強いスターキーが、さらにAIの機能を向上させた最新の補聴器、エッジAIを発売しました。騒音下での音声認識率が30%向上し、より快適でクリアなきこえが実現します。
さらに、40~50時間と長時間持つバッテリーや、強力な防水性能も魅力のひとつ。万が一の水ぬれ故障にも業界初の水濡れ保証が付くなど、他メーカーでは見ることのない手厚い保証制度にも注目です。

代表・田中智子
前器種は、電池の持ちとの兼ね合いで、ボタンを押したときにしかAIが作動しませんでした。今回の新機種からは、電池の持ちは確保されながら、常時AI(DNN)が作動しています。
メーカー | スターキー |
シリーズ | エッジ |
適応難聴レベル | 軽度~重度 |
形 | 耳あな型・耳かけ型 |
給電方法 | 充電式・電池式(電池式は一部のみ) |
グレード | 3グレード |
価格 | 片耳403,600円~ |
補聴器はどこで買える?何でも相談しやすい「専門店」での購入がおすすめ

補聴器を購入する場合、専門店やメガネ店、百貨店、ネットなどで購入することができます。中でも、補聴器だけを取り扱う補聴器専門店は、試聴できるラインナップも豊富ですし、専門知識を持つスタッフが在籍していることがほとんど。自分にぴったり合う補聴器を探すなら、やはり専門店で相談するのがおすすめでしょう。
補聴器購入の流れ
補聴器購入の流れは、まず聴力測定を行い、その結果に見合った補聴器を試聴・選定していくかたちになります。
聴力検査はは耳鼻咽喉科で実施します。補聴器専門店でも補聴器の調整のための聴力測定が可能です。聴力測定後、実際に補聴器を装着して試すことができます。補聴器は多くのメーカーからさまざまなモデルが発売されていますから、複数メーカーの補聴器を試してみて、自分の好みや生活に合う1台を探すのが良いでしょう。
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補聴器の購入なら「うぐいす補聴器」へ

東京・池袋の補聴器専門店「うぐいす補聴器」は、在籍するスタッフ全員が資格を有する”聞こえのプロ”。当店では、複数メーカーの補聴器を常時取り揃えており、それぞれ比較しながら試聴することも可能です。聞こえのことや補聴器に関するお悩みは、ぜひお気軽に当店へお問い合わせください。
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