
Apple社のワイヤレスイヤホン「AirPods Pro 2」に、新しく「ヒアリング補助プログラム」が付加されたことをご存じですか?実はこの機能が、補聴器のように使える!として最近、注目を集めているのです。
本記事では、そんなAirPods Pro 2の新機能や使い方を、補聴器と比較しながら解説します。是非参考にしてくださいね。
\聞こえでお悩みですか?/
「テレビの音が大きいと言われた」「インターホンや家族の呼びかけに気付かなかった」・・。
年齢とともに聞こえが悪くなっていく加齢性難聴は、補聴器を適切に使用することで改善させられることが多いです。しかしながら、補聴器って種類が多いし、値段もピンキリ。自分に合う補聴器はどんなものなのか、探すだけで骨の折れる作業ですよね。
うぐいす補聴器は、スタッフ全員が専門資格を有する「聞こえの専門家」。おひとりおひとりの聞こえやライフスタイルに合わせた補聴器のご提案が可能です。資料請求やご相談は無料。ぜひお気軽にお問い合わせください。

【この記事の監修者】
田中智子(認定補聴器技能者・うぐいす補聴器 代表取締役)
補聴器を「日常生活をポジティブに自分らしく過ごせるようになるためのツール」と捉え、補聴器専門店「うぐいす補聴器」を開業。以前は有名補聴器メーカーのマーケティング部に所属し、全国5000店舗へ補聴器販売の指導を実施した経歴を持つ。高齢者難聴を得意とし、地域住民への啓蒙活動、高齢者への補聴器の装用トレーニングなども実施している。
目次
AirPods Pro 2が補聴器機能を搭載!?

AirPods Pro 2(以下、『AirPods』)は、iPhoneなどを手掛けるApple社が販売しているワイヤレスイヤホンで、音楽再生やハンズフリー通話に便利だとして多くの人に愛用されています。この『AirPods』に2024年秋、新たに付加された機能が「ヒアリング補助プログラム」というもので、聴力を簡単にチェックできる機能や音質を調整する機能などがあります。これがまさに「補聴器のよう」だと、業界でも大きな話題となりました。
AirPodsのヒアリング補助機能には、主に3つの特徴的な機能があります。
「ヒアリングチェック」で簡単に聴力測定が可能に!

『AirPods』は、従来のワイヤレスイヤホンとしての機能に加えて、新たに補聴器に似た機能が備わりました。中でも特に注目すべき機能の一つが、『AirPods』を使って簡単に聴力のチェックができる「ヒアリングチェック」というもの。用意するのは『AirPods』と専用アプリだけで、面倒な手順は一切ありません。『AirPods』を装着して流れてくる音を聞き、聞こえたらアプリのボタンをタッチする、というシンプルな聴力測定です。
接続したiPhoneからオージオグラムが確認可能
聴力テストの結果は、同じアプリ内ですぐに見ることができます。「オージオグラム」と呼ばれる表で詳細に結果が示されるので、自分がどの程度聞こえているのかをスマホで気軽に確認できるのです。
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この機能を使って定期的に聞こえのチェックをしておけば、「急に聴力が落ちた」「1年前と比べて聴力が落ちている」など、自身の聞こえの変化にも気づきやすくなりますし、専門医や医療機関を受診する目安にもなります。『AirPods』とスマホだけでいつでも気軽にチェックできるので、『AirPods』を持っている方は是非一度試してみてはいかがでしょうか。
②ヒアリング補助機能

さらに、ユーザー1人ひとりに合わせて音がカスタマイズされる「ヒアリング補助機能」という便利な機能もあります。これは、前章でもご紹介した聴力チェックの結果をもとに、「聞こえていない音だけを増幅」して届けてくれる機能。まるで補聴器のような役目を果たしていますよね。
Apple社の発表によると、この機能は軽度~中等度の難聴者に向けて開発された機能だそう。対象者は限定的ですが、該当する人にとっては、かなり便利な機能だと言えるでしょう。
周囲の音を聞き取りやすくカスタマイズ
このヒアリング補助機能は、周囲の音を聞き取りやすくカスタマイズしてくれる機能です。これが補聴器とよく似ているとして、多くの話題を集めました。
事前に聴力テストを済ませておけば、その結果に基づいて、AirPodsが必要な音だけを自動で増幅させてくれます。しかも、その増幅の大きさや左右でのバランス、音のトーンなどの細かい微調整は、後からでもスマホで簡単に行うことができます。使いながら自分の快適な音を作っていけるのは、とても便利だと言えますね。
③聴覚保護機能(日本では未提供)

さらに、周囲の騒音から耳を守ってくれる「聴覚保護機能」も同時に発表されました。うるさい環境にいるときに、周囲の騒音から聴覚を守るため、大きすぎる音が入るのを抑えてくれる機能なのだとか。
ただ残念ながら、この機能は現在アメリカとカナダでのみ提供されています。難聴予防に「聴覚の保護」は欠かせないので、今後日本でも展開されることを期待しましょう!
AirPods Pro 2の補聴器機能はどうやって使う?設定方法

ここまで、『AirPods』の補聴器機能について解説してきましたが、実際にどうやって使うのか気になった人も多いのではないでしょうか。『AirPods』でヒアリング補助プログラムを使うには、以下の方法で設定する必要があります。
聴力チェックを受ける場合
『AirPods』をペアリングしたデバイスの「設定」アプリ内で該当の『AirPods』の項目を選択します。「Appleのヒアリングチェックを受ける」へ進み、そのあとは、画面の指示に従い聴力チェックを行ってください。
ヒアリング補助機能を使う場合
「設定」アプリを開き、該当の『AirPods』の項目を選択します。「聴力補助」をタップし、 「ヒアリング補助」をオンにします。さらに「調整」をタップして進めば、音量の増幅や、左右バランス、音のトーンなどの調整も可能です。
専門家が解説!AirPods Pro 2は補聴器代わりになる?

では、実際に『AirPods』 は補聴器として使えるのか?という点について解説します。『AirPods』は補聴器よりも安価ですし、ネットや家電量販店などでも気軽に手に入ります。ですから、もしこれが補聴器の代わりとして使えるのであれば、ぜひ使ってみたいと思う人も多いことでしょう。
ここからは、認定補聴器技能者でもある筆者が、『AirPods』のメリット・デメリットについて解説していきます。
便利な点 / メリット
前述のとおり『AirPods』には、聴覚をサポートする機能が搭載されています。軽度~中等度難聴者向けと限定的ではありますが、「聞こえを補う」という意味では大きな助けになってくれるでしょう。聴力チェックの結果などが見られる専用のアプリは、国が「管理医療機器」としても認めています。信頼性も高く、安心して使えるものであることは間違いありません。(※『AirPods』本体は管理医療機器ではありません)
課題点 / デメリット
ただし、補聴器として『AirPods』を使用するには、いくつかのデメリットもあります。
たとえば、バッテリーの駆動時間。一般的な補聴器であればバッテリーは18~24時間ほど持ちますが、『AirPods』は最長で6時間と、1日中使用する機器としては使えません。
また、これは軽度~中等度難聴者向けに開発されたものであり、使える人が限られてしまうこともデメリットのひとつだと言えるでしょう。
【結論】補聴器としてはまだ実用的ではないが、「聴覚の健康」について興味づける良いツールとなる

上記のメリット・デメリットを踏まえると、補聴器と全く同じように使用するには課題が多く、まだ実用的だとは言えないかもしれません。1日しっかりと使いたい人や、中等度以上の難聴レベルの人には、現時点ではやはり補聴器が最適でしょう。
ただ、多くの人にとって身近な『AirPods』という製品に、「聴覚ヘルスケア」の分野が追加されたことは、より耳の健康や補聴器に興味を持つ人が増える良い機会となるのではないでしょうか。これを機に、耳にイヤホンを入れて音を聞く・会話をするということに抵抗がなくなることが広がっることを期待します。
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