【第36回 2022年(令和4年)4月19日(18日発行)】
補聴器をつけるタイミングに悩まれている方は、結構いるのではないでしょうか? 周囲の方からも「少し聞きづらいし、聞き返すことも増えたなぁ。それでも自分はまだ聞こえているし、補聴器をつけるまでもないよね」といった話を耳にします。
誰もが自分の老いなんて認めたくないものです。
補聴器工業会の調査によると、聞こえづらさを自覚してから実際に補聴器を購入するまで、4年以上かかる人は約40%。一方で1年未満に購入している人は18%。早めに対処する方も少なくないようです。
加齢性の難聴は年を重ねるにつれ進行し、基本的には元に戻りません。特に最近はコロナ禍の影響でマスク生活な上、しかもパーティションがそこらじゅうに置かれるようになり、聞こえづらさを気にしている人が一層増えたように感じます。
この聞こえづらさを放っておくと、聞き返すことの気後れから会話を知らず知らずのうちに避けるようになってしまいます。この「知らず知らずのうちに」というのが厄介なんです。無意識に、家に閉じこもり孤立してしまうわけで、刺激が脳に入らず、やがては、うつや認知症へつながる可能性も指摘されています。
さて補聴器はいつつければいいかですが、聴力のレベルが40デシベル以上の難聴だと、補聴器の適用とされています。40デシベルは、小さな声や騒音下での聞き取りが困難なレベル。
乾いた親指と人さし指の先を、軽くカサカサとこすり合わせてみてください。もしもカサカサという音が聞こえなかったら、補聴器を検討してもいいかもしれません。もちろん正確な判断ではないので、最終的には病院や補聴器専門店に行くことが大前提です。
でも、すぐに補聴器を買う必要はありません。これまでお伝えしている通り、お試し期間を設けている販売店を選び、何週間か試してみて、生活が改善するようなら、購入を検討してみてください。