【新聞掲載】びっくりの超小型補聴器が登場 じっくり見てもわからない

2022.08.16

【第51回 2022年(令和4年)8月16日(15日発行)】

 現在、補聴器もさまざまな種類があり、それぞれ性能も違っています。

 しかもその性能は年々進化しているのです。

 ここ数回、当欄で私が驚いた最新式補聴器を紹介してきましたが、今回の補聴器は、そのサイズに驚きました。耳の奥に入ってまったく見えないのです。超小型で耳穴型の補聴器で、「CIC(Completely In Canal)」や「IIC(Invisible In the Canal)」と呼ばれています。ちなみにIICはまったく見えない補聴器という意味になります。

 耳をじっくり見ても見えない。耳たぶを引っ張って奥までのぞき込んで、やっと見えるくらいなのですから。

 ここまで目立たなければ、現役でお仕事をされている方にとって、補聴器をつけていることが他の人から知られることもありません。

 ちなみにこの耳穴型は、既製品もありますが、使う方の耳穴の形に合わせて作るオーダーメード製品も市販されています。

 ただ、いまのところこのタイプの充電式はなく、電池式のみです。どうしても補聴器自体のサイズが小さいために電池の持ちが悪かったり、聴力の悪い方にはパワー不足な場合も。

 また、極限まで小さくするために通信機能も制限されており、補聴器と携帯電話を無線でつないで会話や、テレビの音を直接補聴器に飛ばすといった他の補聴器にあるような機能もありません。

 ただこの種類の補聴器は音質が実に良いのです。

 人間の耳には、生まれつき周りの音を自然に集めたり、音の方向を特定する効果が備わっていますが、このCICやIICではその耳が本来持っている自然な集音力を最大限にサポートしているのです。

 もしも一昔前の耳全体を覆うような大きな補聴器のイメージをまだお持ちでしたら、一度お店にあるサンプルを手に取ってその小ささを実感してみてください。

 補聴器に対する認識がきっと変わるはずです。

https://hc.nikkan-gendai.com/articles/277978