【第48回 2022年(令和4年)7月26日(25日発行)】
先月、東京都内において、耳の健康についての講演会を行いました。会場は産業振興を目的とした4月にできたばかりの新しい施設です。
ちなみにこの施設のあるM区は、高齢者の抱える聞こえづらさへの対策として、4月から補聴器の購入助成制度を始めるなど、難聴者対策の取り組みに力を入れている行政区で、我々補聴器業界としてもいま大いに注目する地域です。
難聴の予防や対策は健康寿命を延ばすカギであることや、難聴と認知症の関連性、またそのために補聴器の活用が有効であることなど、難聴を放置することのリスクが新聞、テレビなどで多く取り上げられていたり、この勉強会の案内が区報の紙面で告知されていたからでしょうか。当日は大勢の方に参加いただきました。
会の途中で行われた質疑応答では、いろんな質問を頂きました。その質問に答える中で思いもよらなかったのが、みなさんが思った以上に難聴や補聴器について知らないということでした。
例えば、補聴器と集音器の違いに始まり、補聴器は両耳入れた方がいいのか? といった素朴な疑問がほとんど。
特に愕然(がくぜん)としたのが、「電池が必要なんて知らなかった」という感想が出たとき。ほかの来場者も大勢がうなずかれていたのでした。
ただ講演会終了後に頂いたアンケートの感想を拝見すると「今まで知らなかったことが知れてよかったです」「現在、主人とのやりとりでしばしばストレスを感じている。今日のお話で、やはり放っておくことはいいわけないと思いました」「認知症と難聴についてもっと知りたい」といった内容で、改めて補聴器を扱う人間として、社会に向けて難聴のことや補聴器のことをお伝えしないといけないなと襟を正すきっかけになったのでした。