【新聞掲載】補聴器はアナログからデジタルへ 高度な技術で聞き取りやすさ向上

2022.06.28

【第45回 2022年(令和4年)6月28日(27日発行)】

 みなさんは補聴器にアナログ補聴器とデジタル補聴器の2種類あることをご存じでしょうか?

 アナログとデジタルでは、音の処理の仕方が違います。簡単に言うと、アナログは音を電気信号に変換して単純に増幅。一方、デジタルは入ってきた音をデジタル信号に変換し、補聴器内のICマイクロチップで騒音抑制や語音強調、ハウリング抑制などの信号処理を行い、聞き取りやすさを向上させています。

 かつて信号処理技術の発達やICの発達により、アナログレコードからCDに遷移してきたように、補聴器の歴史は、アナログ補聴器では実現できなかった多機能化と小型化の実現で、アナログ補聴器が淘汰されてきた歴史ともいえます。

 実際2000年まではアナログ補聴器がメインでしたが、近年では、ほぼ100%がデジタル補聴器です。

 補聴器はもともと貝や葉などからスタート。古くは、金属製のラッパのような集音器が使われていました。音を電気信号として増幅する補聴器(アナログ補聴器)は、19世紀ごろ、電話機の機能を応用して作られました。

 それから1世紀余りを経てようやくデジタル補聴器が登場したことになります。

 ついでに言うなら、補聴器は当初単純な道具だったために、比較的単純な原理で変化を起こす道具を意味する「器」が当てられ、補聴“器”となりました。しかし現在の高性能ぶりからすると、複雑な機能を組み立てた道具を意味する「機」を当て、補聴“機”と表記を変えた方がいいのではと思うくらいです。

 それでも補聴器を昔ながらの単純な道具だと思い込んで、補聴器に及び腰の方がいらっしゃるかもしれません。今どきの補聴器はスゴイですよ。

 ぜひ、お近くの補聴器販売店で最新の補聴器の機能を自分の耳で確認してみてください。

https://hc.nikkan-gendai.com/articles/277779