【第35回 2022年(令和4年)4月12日(11日発行)】
近年、補聴器の普及に伴い各種のトラブルが国民生活センターに多く寄せられ、注意喚起が行われるようになっています。
訴えは、十分なお試し期間がなく、適切な説明を受けないまま契約してしまったというものが大半です。補聴器が必要な聴力レベルでないにもかかわらず、「このままだと認知症になる」と不安をあおられ、十分な検討時間がないままに購入してしまったという訴えもあります。
また最近は通信販売の増加で、「使ってみて合わなかったけど返品できない」「返品したいが電話がつながらない」といった相談も寄せられるようになっていると聞きます。
実際に当社に相談に来られるお客さまの中にも、冒頭に紹介したような内容の相談の他に、「調子が良くないので、お店で調整してもらったら、店内では良いと思ったけど、家に帰ってみると聞こえづらくなる」「何回か調整してもらっているが、『これが〇〇さんの聞こえに合っています』としか言われない」などの不満をぶつける方も少なくありません。
いまこのコラムをお読みの、補聴器をつけていらっしゃる読者の中にも、同じような経験をされた方がいるかもしれませんね。
ではそんな不快な思いをしないためにどうすればいいのでしょうか。それは、例えば調整してもらったなら、一体どういう調整をしたのかを販売員に聞いて、納得がいく説明をしてもらうことです。また、現在の自分がどのくらい聞こえていて、補聴器をつける前と後でどのくらい改善したかなどを数値で測ってもらうことも大切です。
可能であれば、1人で判断せず、家族や身近な人に相談したり、時には一緒にお店で店員の説明を聞いてもらうのもいいことだと思います。
そのお店がいかに親身になって話を聞いてくれるか? 適切に調整してくれるか? しっかりと見極めてから購入しても遅くはないのですから。