あなたの耳は大丈夫?聴力検査の結果の見方と正常値

2024.11.16

聞こえにくさを感じたとき、まず最初に受けたいのが耳鼻科での聴力検査。聴力検査は、音の大きさや聞き取りにくさを調べる検査で、どんな音が聞こえにくくなっているのかを知ることができます。

今回は、そんな聴力検査の重要性や正常値、結果表の読み方などについて詳しく解説します。ぜひ参考にしてくださいね。


聞こえでお悩みですか?/

「テレビの音が大きいと言われた」「インターホンや家族の呼びかけに気付かなかった」・・。
年齢とともに聞こえが悪くなっていく加齢性難聴は、補聴器を適切に使用することで改善させられることが多いです。しかしながら、補聴器って種類が多いし、値段もピンキリ。自分に合う補聴器はどんなものなのか、探すだけで骨の折れる作業ですよね。
うぐいす補聴器は、スタッフ全員が専門資格を有する「聞こえの専門家」。おひとりおひとりの聞こえやライフスタイルに合わせた補聴器のご提案が可能です。資料請求やご相談は無料。ぜひお気軽にお問い合わせください。

【この記事の監修者】
田中智子(認定補聴器技能者・うぐいす補聴器 代表取締役)

補聴器を「日常生活をポジティブに自分らしく過ごせるようになるためのツール」と捉え、補聴器専門店「うぐいす補聴器」を開業。以前は有名補聴器メーカーのマーケティング部に所属し、全国5000店舗へ補聴器販売の指導を実施した経歴を持つ。高齢者難聴を得意とし、地域住民への啓蒙活動、高齢者への補聴器の装用トレーニングなども実施している。

聞こえにくさを感じたら耳鼻科で聴力検査を受けましょう

聞こえにくさを感じたら、まずは耳鼻科を受診して聴力検査を受けましょう。

聴力検査は、耳の聞こえの状態を調べる検査で、結果から正常または軽度~重度などの、難聴レベルを知ることができます。検査結果の表は「オージオグラム」と呼ばれ、聴力の状態を数値で確認できるようになっています。

聴力検査の重要性

難聴のなかでも、年齢を重ねるにつれて多くの人が悩まされる「加齢性難聴(老人性難聴)」は、放っておくと少しずつ進行していくと言われています。定期的な聴力検査を行うことで、難聴の早期発見につながり、早めのケアや適切な対処で聴力の改善や維持を見込めます。

聞こえにくさを感じたらそのままにせず、できるだけ早めに耳鼻科を受診しましょう。

聴力検査とは?どんな検査をするの?

聴力検査とは、静かな防音室でヘッドホンを装着し、流れてくる言葉や音がどれほど聞こえているかを調べる検査です。聴力検査は主に「音の聞き取り力」を調べる検査と「言葉の聞き取り力」を調べる検査の2種類があります。

純音聴力検査とは「音がどれだけ聞こえるか」を調べる検査のことです。静かな防音室でヘッドホンを装着し、さまざまな高さや大きさで流れてくる「ピー」という音に対して聞こえたらボタンを押して知らせる、という方法で測定します。会社や学校の健康診断などで、簡易的な測定をしたことがある人も多いのではないでしょうか。

純音聴力検査の結果は、「オージオグラム」と呼ばれる表で示されます。

もう一方の語音明瞭度検査は、「言葉がどれほど正確に聞こえるか」を調べる検査です。こちらも静かな防音室でヘッドホンを装着して行いますが、ヘッドホンからは「あ」「き」など、一文字ずつの言葉がさまざまな大きさで発されます。検査を受ける人は聞こえた通りに用紙に言葉を記入し、その正解率をテストします。語音明瞭度検査では「あなたの言葉の聞き取り力は●●%です」というように、パーセンテージで結果が出るのが特長です。

聴力検査の結果表「オージオグラム」

オージオグラムの一例

オージオグラムは、音の聞き取り力を調べる「純音聴力検査」の結果を表にしたもの。純音聴力検査では、ピーという音をさまざまな大きさや高さで聞きます。そうすることで、それぞれの音の高さごとに「聞き取ることができた音量の最小値」がわかります。純音聴力検査の結果を一覧として表にしたのが、オージオグラムというわけです。

オージオグラムは縦軸と横軸で表されるもので、印のついた場所が現在の自分の聞こえを示しています。

縦軸は、音の大きさ(dB)を表します。下に行くほど大きな音、上に行くほど小さな音で、印のつけられた場所が、自分が聞き取れた最小の音の大きさということになります。つまり、印のつけられた箇所よりも上の音(小さな音)は聞こえておらず、印のつけられた箇所よりも下の音が聞こえる、ということになります。したがって、印をつけられた箇所(線)が下の方にあるほど、聞こえが悪いという結果になります。

横軸は、音の高さ(Hz)を表すもの。右に行くほど高い音、左に行くほど低い音となります。会社や学校の健康診断で行う簡易的な測定でも、2~3種類の音の高さを調べられますが、耳鼻咽喉科で行う本格的な聴力検査では、6~8種類もの音の高さで細かく聴力レベルを測ることができます。

このオージオグラムの表の中でも、画像の緑色で示した部分は、ちょうど人の話し声の音域にあたります。この音域は細長いバナナのような形状をしていることから、「スピーチバナナ」と呼ばれています。もし、スピーチバナナよりも下に測定結果の印がついたなら、その場合は日常的に会話が聞き取りづらくなっている可能性が高いです。

オージオグラムの正常値と結果からわかる難聴レベル

一般的に、聞こえる人の平均聴力やオージオグラムの正常値は0~25dBとされています。25dBを超えると難聴と診断される場合があり、検査結果のグラフがどのような値を示したかによって難聴のレベルがわかります。

難聴レベルは主に次の4つのレベルに分類されます。

難聴レベル

  •   25~39dB:軽度難聴
  •   40~69dB:中等度難聴
  •   70~89dB:高度難聴
  •  90dB以上:重度難聴

難聴のレベルによって、必要な治療や対処は変わってきます。普段から自分の耳が今現在どのような状態なのかを把握しておくことはとても重要です。


難聴だと診断されたら

難聴だと診断された場合、そのまま放置してしまうのは危険です。

ひと昔前までは、医療機関でも「もう歳だから仕方がないね」と言われて、放置されていることが多かった難聴。しかし今では、認知症と難聴の関係性も指摘されており、早めに対処することが大切だと言われるようになりました。難聴と診断されても「歳だから」と放置せず、医療機関や補聴器店などで相談することをおすすめします。

難聴になると認知症のリスクが高くなることをご存知ですか?厚生労働省が2015年1月に策定した「新オレンジプラン(認知症施策推進総合戦略)」によると、遺伝、加齢、高血圧、喫煙など、一般的に言われている認知症の原因に加え、「難聴」も認知症の要因のひとつとして挙げられています。

難聴が認知症を引き起こすメカニズムとしてあげられているのが、以下のような仮説です。

仮説① 脳のエネルギー配分が変わるため

大前提として、”脳の認知体力”は一定の総量が決まっています。私たちはそのエネルギーを使って日々さまざまな知的作業の活動を行っているわけですが、難聴の人は聞こえにくいことによって「音の情報処理」に多くのエネルギーを使ってしまいます。これによってそのほかの高次な知的作業を行う脳のエネルギーが不足し、その状態が続くことで神経が変性して脳の萎縮を加速させてしまうのです。これが、認知症になりやすくなるという仮説のひとつです。

仮説② 社会活動の減少や聴覚刺激の伝達の減少

難聴になると、聞き間違いや聞き返しが多くなるなど、コミュニケーションに支障が出ることが多いです。その状態が長く続くことによって、いつしか人と会話すること自体を避けるようになってしまうことも。仕事や人との会話などの社会的活動は、実はとても高次な知的機能を使う脳の活動です。しかし社会的活動が減少することで、使わなくなった脳の働きは失われ、脳が萎縮し、認知機能が低下してしまいます。こうなると、ますますコミュニケーションが難しくなり、社会活動にも参加しづらくなるという負のサイクルを生んでしまいます。

さらに、難聴によって、耳から脳に伝わる音声刺激が減ることで、脳への情報が伝達されにくくなり、神経回路の活動が減って、最終的に脳が縮んで容積が小さくなってしまうということも。そうなると連鎖的に認知機能の低下も起きていきます。難聴を起点に、この二つの経路で負の連鎖が起き、認知症につながるという仮説もあります。


運動を行わないと身体の機能が衰えていくのと同じように、知的な能力も使わずに過ごすと少しずつ衰えていってしまうのです。聞こえにくさを感じたら放置せず、早めの対処を心がけましょう。

難聴が日常生活に支障をきたすようになっているのなら、ぜひ早めに補聴器を試してみてください。補聴器は、加齢性難聴に有効だと言われており、個人差はあるものの、実際に聞こえの改善も多数報告されています。

補聴器は、音が聞き取りやすくなるだけではなく、聞こえが良くなったことによる社会参加の意欲や、心理的安心感、思考の充実などにもつながります。

現在、国内に流通している補聴器は数百種類にも上ると言われており、メーカーやモデルによって音質にも機能にもさまざまな特色があります。デザイン性の高いものや目立ちにくいものもあるので、好みやニーズに合わせてチョイスしてくださいね。

補聴器のことなら東京・池袋の「うぐいす補聴器」へ

聞こえにくさを感じたら、まずは耳鼻科で聴力検査を受けることをおすすめします。聴力検査の結果、難聴であると診断されたら、ぜひ一度補聴器を試してみてください。

東京・池袋の補聴器専門店「うぐいす補聴器」は、在籍するスタッフ全員が認定補聴器技能者の資格を有する専門家。難聴や補聴器に関して深い知見を持ち、お一人おひとりのお悩みに寄り添い最適な補聴器をご案内します。
また当店では、複数メーカー・数百種類の補聴器を常時取り揃えており、必要に応じてご試聴やレンタルも行っております。補聴器相談医や医療機関とも連携していますので、ご希望があればご紹介することも可能です。補聴器が気になっているという方はぜひ一度お気軽にご相談ください。

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