補聴器をつけると自分の声が響くのはなぜ?原因と対処法を解説!

2021.06.12


補聴器をはじめて装着した方や装着して間もない方から、「自分の声が響いて聞こえる」というご相談がたびたび寄せられます。補聴器でなくとも、イヤホン装着時などにも同じ現象を体感したことがある人もいるのではないでしょうか。
今回は、そんな「自身の声が響いて聞こえる現象」の原因と対処法について解説します。


聞こえのお悩みはうぐいす補聴器へご相談ください

「テレビの音が大きいと言われた」「インターホンや家族の呼びかけに気付かなかった」そんなご経験はありませんか?
実はそれ、年齢とともに聞こえが悪くなっていく加齢性難聴かもしれません。
加齢性難聴は、老眼やお顔のシワなどと同様に、年齢を重ねると誰でも起こりうるもの。
適切なケアで日々の生活をぐんとラクにすることができます。
詳しくは、下記よりお問い合わせください。

【この記事の監修者】
田中智子(認定補聴器技能者・うぐいす補聴器 代表取締役)

補聴器を「日常生活をポジティブに自分らしく過ごせるようになるためのツール」と捉え、補聴器専門店「うぐいす補聴器」を開業。以前は有名補聴器メーカーのマーケティング部に所属し、全国5000店舗へ補聴器販売の指導を実施した経歴を持つ。高齢者難聴を得意とし、地域住民への啓蒙活動、高齢者への補聴器の装用トレーニングなども実施している。

「自身の声が響いて聞こえる現象」の原因


声をはじめとした“音”の情報は、目には見えないものの、波のように振動しています。声を出すと、その声(音)の振動が顔や頭の骨に伝わり、耳の穴を抜けて外に放射されます。
しかし、補聴器やイヤホンで耳の穴を塞いでしまうことによって、外に向かった振動は、はね返って内側に戻ってきます。内側へ戻ってきた振動は再び耳へ伝わり、顔や頭など周りの骨を振動させます。こうして共鳴が起こることで、自分の声が響いて大きく聞こえるのです。

自身の声が響いてしまう時の対処法


補聴器を使用すると自身の声が響いてしまう現象のメカニズムを解説しました。それでは、実際に自分の声が響いて不快な場合にはどのように対処するのが良いでしょうか?声が響く現象を軽減してラクにする方法は次の3つが挙げられます。

自身の声が響いてしまう時の対処法小さな声で話す


聴力が低下した状態が続くと、自分の声も周りの音と同じように聞こえにくくなります。脳はこの状況を敏感に察知し、今までと同じように聞こえるように、一生懸命声のボリュームを調整します。そのため、知らず知らずのうちに自然と話し声が大きくなっている場合があるのです。これを読んでいる方の中にも「話し声が大きすぎる」と指摘された経験のある方がいらっしゃるかもしれません。それは、この現象によるもの。
つまりは、知らないうちに大きな声で話すことに慣れてしまい、それが今現在の『普通』になってしまっているわけです。その状態で補聴器をつけて入ってくる音のボリュームが上がると、自分の声を「うるさい」と感じてしまうのです。

ですので、自分が思うよりも少しだけ小さな声で話すように意識してみましょう。どのくらい小さくするかは、「なんとなくこれくらいかな」と大雑把に捉えて大丈夫。自分の感覚で、いろいろな大きさで話すことを試してみてくださいね。しばらく試していると、だんだんと『ちょうど良い声の大きさ』がわかってきて、今度はそれが『普通』になっていきます。

自身の声が響いてしまう時の対処法時間を置いてみる

これも、対処法①と似た部分がありますが、「補聴器に慣れるまで待ってみよう」という考え方です。
“補聴器”が日常生活に登場するということは、かなり大きな環境の変化です。何事においても、変化に慣れるまでにはある程度時間がかかりますよね。新しいことを始めると、最初のうちは時に違和感ややりにくさも感じるものです。補聴器も同じで、装着を開始して数日~数か月間は不便さや違和感がある人が多いです。
“はじめましてのもの”は、誰だって怖いものですよね。ましてや、自分では見えない耳の穴の中まで機械を入れるのですから、ドキドキしたり不安が強くなることがあっても不思議ではありません。
人間はそうした緊張状態が続くことで警戒心も強くなりますから、補聴器の使い始めは普段よりも小さなことに敏感になりやすいと言えます。

この状態は、リラックスしている『普段の生活』とは異なる状態。そのため、少し時間をおくなどして、様子を見ながら補聴器に慣れていきましょう。
継続して補聴器を使うことで、やがて補聴器は“はじめましてのもの”ではなくなり、つけていてもリラックスできるようになってきます。そこまでいけば、今、頭を悩ませているものがいつの間にか気にならなくなっているかもしれませんよ。


補聴器が不快なら・・・ぜひ一度ご相談ください

「声が響いて不快」「買ったもののうるさくて使えない」・・・
補聴器に関してこのようなお悩みはありませんか?
うぐいす補聴器では、専門資格を保有するスタッフが丁寧にヒアリングを行い、お持ちの補聴器の不快を軽減させられるよう伴走いたします。ぜひお気軽にご相談ください。

自身の声が響いてしまう時の対処法オープンフィッティング


オープンフィッティングとは、『耳の穴を完全に塞がない』新しい補聴器の調整方法のことです。
補聴器と耳の間に隙間があると、ハウリングを引き起こすなどの様々な不都合が生じるため、これまでは補聴器をつける際には耳の穴を完全に塞ぐのが主流でした。
しかし最近では、補聴器業界の技術の進歩によって、耳を完全に塞がなくても使えるものが出てきたのです。それらの多くは、補聴器自体に“空気の通り道”である通気口を開け、『耳を塞がない』状態を作り出す仕組み。使用する補聴器の構造によっては、その他にも様々な方法があります。

オープンフィッティングの注意点

ただし、オープンフィッティングは誰にでも有効な方法ではありません。主に、軽度の難聴の方や、「高い音だけ聞こえない」という方に向いている調整方法です。
逆に、「聞こえる音のボリュームを全体的にあげたい」「高い音だけでなく、低い音も聞こえにくい」「会話するとき、相手が何を言っているか聞き取れないことがある」という方には、オープンフィッティングは適しません。むしろ、空気の通り道を開けてしまうことによって補聴器本来の効果が得られなくなってしまう場合もあります。
オープンフィッティングは誰にでも合う方法というわけではないため、気になる方はぜひ一度専門家に相談してみてくださいね。

うぐいす補聴器では、自声が響くというお悩みに対して、耳栓の変更や、お持ちの補聴器の調整を承っております


自分の声が響いて気になってしまう場合でも、試せる対処法がいくつかあることを解説しました。とはいえ、ひとりですべて対処するのは至難の業。
うぐいす補聴器では、専門資格を保有するスタッフが補聴器のお悩みに寄り添い適切にサポートします。「自身の声が響いてつらい」とお悩みの方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。

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