【第59回 2022年(令和4年)10月25日(24日発行)】
高齢のお客さまからよく「あと何年生きるか分からないし、もったいないから補聴器にお金をかけたくない」と言われます。
果たしてご自分が思う余生は2~3年なのでしょうか?
以前、79歳の男性のお客さまにご来店いただいたことがありました。古い型の補聴器を両耳に装用しており、それが壊れた時は新しい物を購入しようとかねがね決めていた。それが今回片方が壊れ、聴力測定のために来られたのでした。
80歳を前に、積極的に人生を充実させるため、新しい補聴器を購入しようとする前向きな姿に、私たちも元気をいただきました。
現在の日本の平均寿命は、令和3年の時点で男性は81.47歳、女性は87.57歳。これはあくまでも若い人も中高年の人も、亡くなったすべての人の平均です。
それでは平均寿命という指標とは別に、平均余命というものがあるのをご存じでしょうか? これは、人が生存する平均年数。つまり、0歳の乳幼児が生存するだろうと考えられる平均年数です。
厚生労働省が作成した「令和3年簡易生命表」によると意外な実態が浮かび上がってきます。
令和3年の70歳の平均余命は男性15.96年に、女性20.31年。そして80歳の平均余命は男性で9.22年、女性で12.12年なのです。
そうなんです。もしも今あなたが80歳なら、この後およそ10年は生きることになるわけです。
「どうせ2~3年しか」は大きな間違いなのです。
だからその10年を楽しく生きるためにも、聞こえを改善して健康寿命を全うすることはとても大事だとなります。
冒頭のお客さまも聴力測定を実施し、2週間のお試し期間を経て調節を行い、ご自分に合った補聴器をご購入いただきました。
人生にはいろいろな音があります。それはどれもあなたにとって必要な大切な音。健康寿命を全うするためにも、補聴器を活用して、そんな音を聞き漏らさないようにしてください。