【第24回 2022年(令和4年)1月18日(17日発行)】
昨年は、新型コロナの流行に日常が激変し社会全体が揺れた年でした。
それでも新しい年を迎え心機一転、補聴器により新しい世界へ一歩踏み出そうとしている方もいることでしょう。
愛媛大学教育学部の立入哉教授が、補聴器は音を補うだけでなく人の生きざまをも変えるものだとおっしゃっていたことを改めて思い出します。
お客さまからよく聞くのが、補聴器をつける前はどうしても「お願い、私に話しかけないで」と思っていたということです。聞き返すのも相手に悪いし、その場の雰囲気も悪くするから笑ってその場をやり過ごすというものです。
そういった方が、補聴器をつけると一転「どんどん話しかけて! って思うようになる」といいます。実際、初めてお会いした時と比べ見違えるほど明るいお顔や、今までになかった笑顔を見せていただけることがあります。
前出の立入教授のご専門は「子どもの補聴器」なのですが、お子さんの場合は、ご両親や周囲が補聴器に対して肯定的で前向きな姿勢になることが第1ステップとおっしゃっています。それは大人の場合でも同じ。周りの人の支えや励ましはとても大切です。
補聴器をつけた当初は今まで聞こえていなかった音が入ってくることでうるさく感じたり、全部が雑音に感じたりして疲れるかもしれません。かといって最初から疲れない音量にすると、補聴器をつけてもつけなくても一緒となってしまい、せっかくつけた補聴器の効果が期待できません。
ですから最初は、うるさいけどなんとか耐えられる音量で、そこから3カ月ぐらいかけて、だんだん目標の音量にまで上げていきます。本人が意欲的に取り組むことも大切です。
さまざまな事情があるにせよ、1週間程度で「思ったように聞こえない」からと途中であきらめるのはもったいない話です。そのために信頼できる補聴器店でサポートを活用してください。きっと新しい世界への扉を開くことができるでしょう。