【第69回 2023年(令和4年)1月17 日(16日発行)】
70代後半の女性のお客さまがいらっしゃいました。長年の趣味が、麻雀。ところが、近ごろはそこでの会話が聞こえづらくなり、行きたくないと思うことも増え、一時は落ち込んでいらっしゃったそうです。ある時、このままじゃだめだと思い立ち、当社に来店され、補聴器を購入されたのでした。
その後は補聴器をつける生活にも慣れ、麻雀も楽しめるようになり、ゲーム中のおしゃべりを楽しまれているとのこと。さらに近ごろは地域のプール体操教室にも通ってみたいと思うようになられるなど、補聴器の装着を機にどんどん新しいことを始めようと意欲が湧いてきたと、ワクワクした顔でお話ししてくださいました。
最近の研究で、社会とのつながりと、死亡率との間には因果関係があるということが分かってきました。
米国のブリガムヤング大学の報告によると、孤独による死亡リスクは、1日にたばこを15本吸うことに匹敵し、日常的な運動不足よりリスクを高めるということです。
また、社会的なつながりを持つ人は、持たない人に比べて、早期死亡リスクも50%低下する、という報告もあります。
そうなると、ひとりで公園を散歩したり運動をすることよりも、地域のヨガの集まりに参加したり、趣味のグループに参加して、そこで楽しくおしゃべりしているだけで死亡リスクがグッと下がるということなのです。
そもそも社会的なつながりが少ないと、認知症の発症率も高くなるといわれています。
聞こえづらいと、ついつい会話を避けがちになってしまいます。そんな時は、ぜひ補聴器を試してみてください。きっとおしゃべりする楽しみを取り戻せるはず。他者とのおしゃべりは、健康寿命を延ばすのに、とてもよい習慣なのですから。