【新聞掲載】英・伊・仏・中と比べて日本の「満足度」が極めて低い理由

2021.11.30

【第19回 2021年(令和3年)11月30日(29日発行)】

 以前の当コラムで一般社団法人日本補聴器工業会という業界団体の市場調査に基づいて、補聴器をつけた多くの方の満足度が低いことを取り上げました。それについてさらに海外との比較を交えてその原因を別の側面から考えてみたいと思います。

 まずは各国の補聴器工業会が実施する調査を見ていきたいと思います。これは3年ごとに調査する現代における難聴と補聴器の使用に関する最大の比較多国間研究データといえるものです。

 まず自己申告難聴者の数に対する「普及率」を見た場合、日本は14.4%、イギリスは47.6%、イタリアは29.5%、フランスは41.0%、スペインは36.5%、中国は10.3%(スペイン、中国は2020年、ほかは18年)となっており、各国ともそれほどまだ普及していないことがわかります。

 ですが、これが補聴器に対する全体的な満足度となると、日本は38%、イギリスは74%、イタリアは81%、フランスは82%、スペインは78%、中国は92%と改めて日本だけが突出して満足度が低いことがわかります。

 ちなみに日本で売られている補聴器も海外のものもほぼ同じメーカーのものです。

 なのになぜそうなるのでしょうか? そのことについて以前、補聴器はトレーニングが必要だとお伝えしてきましたが、実は販売する側にも、十分な説明ができていなかったり、極端な場合は説明を省いて販売することもあるなど、問題が少なくありません。例えば「雑音がうるさいから音を下げてほしい」という訴えに対し、補聴器販売店は音域による微調整を怠り、音量全体を下げ聞こえづらくしているケースもあります。

 音は耳で聞いているのでなく脳で聞いています。ですからしっかり調整してくれるお店に行って、ご自身も3カ月間はがんばってみていただきたいのです。そうすれば、なくてはならない体の一部、自分の相棒であることに気づいていただけると思います。

https://hc.nikkan-gendai.com/articles/276989