【新聞掲載】夏は補聴器の故障が増える 汚れ除去と乾燥機器利用で対策を

2022.05.24

【第40回 2022年(令和4年)5月24日(23日発行)】

 今年の梅雨入りは例年よりも早いかもしれないといわれています。梅雨の季節はどうしても湿度が高くなりますが、補聴器は通常の電化製品と同じように、湿気・水分が苦手です。

 実際に補聴器の故障が比較的多いのも、湿度が高い夏、中でもこの梅雨の時季になります。湿気に加え汗などにより内部部品がサビることで、音質が歪んだり音自体が弱くなってしまうのです。

 そのため夏を控えた5~6月あたりは、メンテナンスに出されるお客さまが比較的多い時期となります。故障した部品は交換できますが、保証期間を過ぎた修理の場合は1回の修理に数万円といった費用がかかる場合もあります。

 近年、防水、防塵のランクを等級化した「IP等級」が作られ、主要メーカーから発売されている補聴器の中には、このIP等級を取得した撥水・耐水の加工やコーティングが施された製品も数多く見られます。それによって汗や湿気による故障は減少していますが、それでも日常的なメンテナンスは必要です。

 実施することは主に2つ。補聴器の汚れを除去すること、補聴器を外した時は専用の乾燥機器に入れることです。

 先週、仕事用のLINEにお客さまからこんなメッセージが。

「今使っている補聴器ですが、どうやら右側の調子が悪いようで壊れたのでしょうか? それとも寿命?」

「音が小さく感じる場合は耳あかが詰まっているかも。応急処置として歯ブラシなどで掃除いただくと、もしかしたらよくなるかもしれません」と返信すると、すぐに「耳あかだったようです!! 多分直ったと思います。とても助かりました」と返ってきました。

 突然音が出なくなると、びっくりして焦ってしまうもの。まずは落ち着いてください。音の出る口を耳あかがふさいでいたという単純なケースも多いのです。

 補聴器はとてもデリケートな機器です。それだけに日頃から自分の耳と同じように、優しくケアしていただければと思います。

https://hc.nikkan-gendai.com/articles/277637