【新聞掲載】補聴器は自分のライフスタイルやどの場面で使うかを考えて選ぶ

2022.03.29

【第33回 2022年(令和4年)3月29日(28日発行)】

 みなさんは補聴器を購入するとき何を基準に選びますか? デザインや形でしょうか? それとも価格ですか? 

 補聴器は10万~50万円台と価格幅がとても大きい製品ですが、基本的にデザインや形による価格差はありません。実は価格に一番影響するのはその性能です。性能が優れている補聴器ほど、価格が高くなります。

 一方で、性能が優れているからといって、つけて即100%聞こえるようになるものでもありません。何度もこのコラムでお伝えしているように、リハビリのようにある程度の期間をかけて慣れる必要があります。

 ではどういった基準で補聴器を選べばいいのでしょうか。それは自分のライフスタイルや、どの場面でどういう使い方をするかを考えて選ぶということが大切です。

 仕事をバリバリやっていて会議も多い、いろんな方向から話しかけられることが多い方は、雑音を抑制する機能が強く、さまざまなシーンで聞き取りやすくする機能を備えた高機能の、ある程度高価格帯の機種が向いているでしょう。あまり外に出かけないし、家族としか話さないという方は低価格のものでも、十分にその機能を発揮することもあるでしょう。

 また、今まで家に閉じこもりっきりだった人がシンプルな機能の補聴器を購入し、それでも思った以上に聞こえるようになり、散歩に出かけたり、お稽古事を始めてみるなど活動的になったので、その機種では物足りなくなり、もう少し上のランクに買い直したといった実際のケースもあります。補聴器をつけてからのご自分の生活の変化を想像しながら、よく検討して購入することは必要なことかもしれません。

 いずれにしても補聴器は毎日、それも一日中つけるもの。我慢して使うのはもったいないお話です。補聴器選びはご自身の生活スタイルに合わせて選びましょう。多くの販売店ではレンタル期間があり、日常生活の中で補聴器を実際に試してから購入することができますよ。

https://hc.nikkan-gendai.com/articles/277427