【第16回 2021年(令和3年)11月日(8日発行)】
店に来られるお客さまの中に、「聞こえづらくなり始めてから、実際に相談するまでに時間がかかった」「こんなことなら早く相談すればよかった」と、おっしゃる方が少なからずいらっしゃいます。
難聴という病気は、外見からは障害の程度や患っていること自体も判別できない面もあってか、つい我慢してしのぐ方が比較的多いのかもしれません。
最近、このゲンダイの記事を読んで、ご相談にみえた方がいました。
82歳の男性で、法務に関する企業の顧問をしています。背筋をピンと伸ばし、年齢を感じさせない若々しい方ですが、毎日のように仕事でいろんな人と話をするうちに、4~5年前から耳が聞こえづらいと自覚するようになったといいます。でも、すぐに補聴器を本格的にやろう! という切迫した気持ちにはならなかったとか。
それが、仕事で裁判を傍聴したときに、遠くに座っている判事の声が聞き取りづらかった経験から、それ以来いろんな集音器や補聴器を試したそうです。しかし、「なにかしゃべっているな」という程度で、半分ぐらいは言葉が聞き取れず、内容が分からないまま時間が過ぎていくケースも少なくなかった。結局は満足のいくものとは巡り合えなかったといいます。
そのため、ご本人の認識では、「補聴器はそんなに聞こえるものじゃない。半分でも聞こえたらいい方だ」というものでした。それが弊社で補聴器を購入してから、補聴器というものはトレーニングをするように微調整をしないとちゃんと聞こえないものなのだと理解し、自分に合った補聴器になるまで微調整を続けた結果、いまではこれまで以上にアクティブに仕事を続けられています。
もし、聞こえづらくなったらすぐに行動する。それがこの障害を克服する最初の一歩なのです。