【新聞掲載】「補聴器をつけても聞こえづらい」は調整の不十分が原因

2021.09.15

【第10回 2021年9月14日(13日発行)】

 ある日、うちの新入社員が、お客さまからこんな話を聞いたと話してくれました。

 そのお客さまは高齢の女性で、補聴器をなくされたそう。そこで新しく買い直すために店に来られたのですが、一方で、同じく補聴器をなくした友達は、高額だからという理由で買い直さず、結局は耳の聞こえづらい前の生活に戻ったそうです。

 それまで使っていた補聴器をなくしたとき、買い直すか、それとも購入を諦めるか。

 ひょっとしてその選択は、その人が補聴器を使いこなせているか否かのバロメーターになるのかもしれません。

 聴力は一般的に何十年という長い時間をかけ徐々に悪くなっています。そこに補聴器で急に音を入れるので脳がビックリしてうるさく感じ、煩わしくなるうちに補聴器をつけなくなり、せっかく買ったのに引き出しの中で眠ったままといった方も少なくありません。

 補聴器はつけてすぐ聞こえるようになりません。細かい調整が必要であり、しっかりサポートしてくれるお店を選ぶことが大事です。

 一般社団法人日本補聴器工業会が2018年に実施した調査では、日本の難聴自覚者の補聴器の所有率は14.4%で、その中で補聴器に満足していると答えた人は38%でした。約6割の人は使用する補聴器に満足していないのが現状です。

 補聴器は高いから普及しないと思う方もいるかもしれませんが、実際は、調整が不十分のために補聴器をつけてもちゃんと聞こえるようにならず、結果、補聴器をつけてもつけなくても一緒と考えてしまう方が多いことが、普及しない一番の原因だと考えています。

 ちなみに当店では、補聴器を買って1年以内に紛失した場合は、1回に限り半額で購入できる保証制度を設けています。また、メーカーや機種によっては2年間無料の保証制度もあります。心配な場合は購入時に確かめることをお勧めします。

https://hc.nikkan-gendai.com/articles/276731