【新聞掲載】初めての補聴器選びどんな場所で不便を感じているか考える

2021.07.21

【第3回 2021年(令和3年)7月20日(19日発行)】

 初めて補聴器を選ぶときは、自分の普段の生活様式を考え、どのタイプが使いやすいかを検討することが必要です。

 まず、補聴器といってもさまざまな形があります。現在の主流は大きく分けて2つ。耳に掛ける「耳掛け型」と、耳の穴に入れる「耳穴型」です。さらに使用する電源により充電型と電池型にも分かれます。

 たとえば、マスク生活で耳に補聴器を掛けると邪魔になりそうで不安、という方には「耳穴型」が向いているかもしれません。また、「自宅で過ごす時間が長い」「テレビが好きでよく見る」「前方だけでなく、左右にも人が座って発言する会議に頻繁に出席する」「ショッピングセンターなど雑音と会話が混在する場所に行く」など、どのような場面で補聴器を使いたいのか? を考える必要があります。

 補聴器は「耳掛け型」「耳穴型」といった形だけでなく、音の種類や音色の豊かさ、雑音と聞きたい会話を仕分けたり、その雑音を抑えたりする機能など、商品によってさまざまで、そのグレードによって価格が変わります。簡単に言えば、いろいろな場面に自動的に対応できる補聴器ほどグレードが高くなるわけです。

 両耳で軽自動車が1台買える金額のものもありますし、片耳10万円以下の機種もあります。車の自動運転機能にも使われる技術で、あらかじめAIで1200万種もの音の情景を学習させた補聴器もあります。

 いずれにしても、多くの販売店がお試し期間を用意していますので、納得するまで試してみることをお勧めします。その場合も、わずかな音の違いが分かって高いグレードの補聴器を購入される方、またそうでなくても大丈夫だよという方もいらっしゃいます。

「どんな場面で不便を感じているのか」などを伝えることで、販売店がいろいろと提案してくれます。たくさん要望を伝えることをお勧めします。

https://hc.nikkan-gendai.com/articles/276518